観劇:宝塚歌劇 『愛するには短すぎる/ネオ・ダンディズム!』
2006年 08月 27日
『愛するには短すぎる』
原案:小林公平
脚本・演出:正塚晴彦
出演:湖月わたる、白羽ゆり、安蘭けい
『ネオ・ダンディズム! -男の美学-』
作・演出:岡田敬二
出演:湖月わたる、白羽ゆり、安蘭けい
タカラヅカを観るのは1年ぶりくらいかなぁ。学生時代からかなり間隔を開けつつもポツポツ観てはいるんですが、なんと今まで自分でチケットを購入したことがないのでありました。すべてありがたくもひと様にお譲りいただいたんですな。今回も事務所の取引先から上司がいただいたチケットを回してもらいました。うへへ♪
そんな調子ですから、タカラヅカの情報にはさっぱり疎く、現在の星組男役・娘役のトップスターが誰なのかさえも知らずにお出かけしたこの公演、星組男役トップの湖月わたるさんの退団公演だったのでした。
ミュージカル、レビューともにキラキラした華麗で華やかな舞台で、「そうそう、これがタカラヅカだよね~っ」と感じることしきり。しかしタカラヅカの舞台を観るたびに思うことですが、全体が夢のようにきらびやかで、その雰囲気が好きな人にはこれはもうたまらないものがあるんでしょうが、ちょっとわたしには単調に思えて途中で飽きちゃうっつーか食傷気味になっちゃうところがあるんですよね…。もうこれは好みの問題なんですけども。
ただ、レビューに起承転結で区別できるようなストーリーがないのはいいとして、今回はミュージカルにもあまり大きな起伏がなかった気がします。幼馴染の男女ふたりが20年ぶりに再会し思いを確かめあうものの、現在の互いの立場からそれぞれが自分の道を進んでいく、というもので、わずか4日間で展開していく物語。ハッピーエンドではないけれどアンハッピーでもない、わりと現実的なストーリーで嫌いじゃないんですが。うーむ、これはラヴロマンス系はあまり受け付けないわたしの感性に問題があるのだろーか!?
ラヴロマンスの間にさしはさまれる船上盗難事件の顛末や、主人公フレッド (湖月わたる) と親友アンソニー (安蘭けい) のつばぜり合いや掛け合い、フレッドと執事ブランドン (未沙のえる) のやり取りという、コミカルな部分はすごくおもしろくて笑かしてもらいましたし、サイドストーリー (女優の卵とマネージャー、裕福な夫妻に愛人のトライアングルとか) も楽しかった。しかし大筋とは関係のないところばかりがツボにくるのはやはり少々問題のような気がするなぁ(笑)。
あ、あとヒロインのバーバラ役の白羽ゆりさんが、“かわいい”というよりも落ち着いた美しい大人の女性って感じなのは良かったな~。途中でいきなり語尾が「…だよ」ってな感じに変わるところがあるのは違和感があったけど。かなり頻繁に出てきてたので、あの台詞回しは脚本家の方がわざとそうしてるんでしょうが、バーバラのキャラクターには合ってない気がしますね。
レビューはチャイナ服っぽいのからガウチョスタイル、燕尾服&ドレスとクルクル衣装変えがあって目にも鮮やか。湖月さんが白羽さんを片手でホールドして何回転もさせるところもすごい! ラストはいつものゴージャスな羽飾りに大階段。どのレビューでも最後はコレなんだけど、やっぱり圧巻でございました~。
湖月さんの退団公演ということもあって、特にミュージカルの『愛するには短すぎる』なんて別れのシーンが印象に残る舞台でしたね。久々のタカラヅカ、キラキラした空気に当てられたような気分でしたが、たまにだとそれがまた新鮮でおもしろかったです。次はやっぱりまた1年後くらいかな。誰かチケットを回してくれたら、ですけど(笑)。
●『宝塚歌劇』公式サイト