映画感想:『M:i:III』 (ミッション:インポッシブル3)
2006年 06月 25日
今は第一線を離れてIMFの教官となったイーサン・ハント (トム・クルーズ) は、恋人ジュリア (ミシェル・モナハン) との婚約パーティの最中に、突然新たなミッションの連絡を受けた。イーサンが訓練したエージェントであるリンジー (ケリー・ラッセル) が、オーウェン・デイヴィアン (フィリップ・シーモア・ホフマン) の監視任務中に拘束されたのだ。イーサンはエージェントのルーサー、デクラン、ゼーンとともにリンジーの救出に向かうが…。
原題:MISSION: IMPOSSIBLE III
監督:J.J.エイブラムス
脚本:アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチャー、J.J.エイブラムス
出演:トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムス
ケイティ・ホームズとの交際が始まったくらいから、数々の奇天烈な言動で全世界をドン引きさせたトム・クルーズ (←云いすぎ!?/笑) の最新作、『M:i:III』 (ミッション:インポッシブル3) を先行上映で観てきました! 劇場は8割がた席が埋まっていたって感じ。なんだかんだ云いながら、トム映画の集客力はすごいですな。
映画の内容はと云いますと、や~相変わらず「ボクちゃんってカッコイイ♪」というトムの自画自賛がムンムンと漂ってくる映画でありましたよ。本当にトムは自分がどうやったら一番カッコよく見えるのか、ということを熟知してます。ある意味アッパレな男だ!
そしてトムが何よりすごいのは、映画を自分の自己満足だけで終わらせず、ちゃんとエンターテイメントとしてある程度の水準はクリアさせちゃうところ。つまり、観たあとで映画料金返せ~! と思わせる確率が低いってことです。まぁ好みもあるから絶対とは云い切れませんが、少なくともわたしにとってはね。
前2作と一番変わっているところは、イーサンがミッション中に女性と恋に落ちるのではなく、最初からジュリアという恋人がいて、危険にさらされた彼女を救うために奮闘するというパターンになっていることでしょうか。『007』シリーズから『24』にシフトチェンジした感じ。このパターンだと、続編ができたときにジュリアの扱いをどうするかが問題になってくる気もしますが、今回はある程度先が読める予定調和で意外性はなかったけど、そこそこ楽しめました。
アクション、スタント・シーンもド派手で迫力満点~。最初のヘリでの追いかけっこ、デイヴィアンの護送中に橋の上で戦闘機に襲われるシーンなんかはやっぱり手に汗握っちゃいます。トムは云うまでもなく身体をはったアクションを見せてくれますし、デイヴィアン役のホフマンがけっこう運動神経が良さそうなのにビックリ。丸っこいからもっと鈍重そうなイメージを持ってたので、意外な発見でありました。
ゼーン役のマギーQ、リンジー役のケリー・ラッセルのアクションも良かった! 女性エージェントがカッコいいのは、さすが『エイリアス』シリーズを生み出したJ.J.エイブラムスの映画だな~って感じです。ただやっぱり主役のトムに比重がドーンと傾いているので、物足りなさも感じちゃいます。特にマギーQはもったいな~い。アメリカ人とヴェトナム人のハーフだそうですが、細面の美人さん♪ ヴァチカン主催の慈善パーティにやたら露出の多いあのドレスはいかがなものかと思いますが(笑)、今後の出演作をぜひチェックしたいです。
そうそう、J.J.エイブラムスらしいと云えば、上海でイーサンが訪ねるセーフハウス(?)の様子は、『エイリアス』の第2シーズン開始時にシドニーが使った香港のセーフハウスと雰囲気がそっくりでした。別に意識してセットを作ってるわけじゃないんだろうけど、なんだか観ていておもしろかったです。イーサンとジュリアの婚約パーティにワイス (グレッグ・グランバーグ) もいたし(笑)。ここらへんはJ.J.の遊び心なんでしょうかね? エンドロールで彼の名前がクレジットされてたかチェックするのを忘れてしまいました。不覚~。
デイヴィアンを演じたホフマンも不気味な存在感があってさすがです。“ラビッドフット”同様、彼も結局はっきりした正体は不明のままだったのが、悪意そのものが形を取ったって感じでかえってよかった気がします。最後はあっけなかったけどな…。しかしそんなデイヴィアンと影で手を結んでいるのが●● (一応ネタバレ配慮) っていうのは、ちょっとバランスが悪い気も。力関係でいくと絶対デイヴィアンのほうが上回るように感じちゃうんだもん。
話運びは強引で穴ぼこも一杯ですが、「細かいところなんて気にすんな!」とばかりにお構いなしに突き進んでいっちゃうので、映画を観てる間はその勢いに乗せられてみるのが肝要かと。鼻腔から脳に異物を入れて、鼻血がタラッとたれるくらいで済むものなのか? とか、派手にドンパチやって交通事故まで起こっているのに付近の住民が騒ぎもせず、警察もこないままなんてどう考えてもヘンだ! とか、観たあとで色々ツッコミを入れるのもまた楽しいものです(笑)。アクション・シーンを堪能するためにも、大画面の映画館でどうぞ、という映画でありました。ストーリー面はくれぐれも期待しすぎぬように。
●映画『M:i:III』公式サイト

/ パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン