映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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カテゴリ:映画感想etc.( 98 )

〔ストーリー〕
 保安官とその助手たちが牧場主ブラッグに殺され、ブラッグ一味の横暴を止める者もいなくなったアメリカ西部の町アパルーサ。町の有力者たちは腕利きのガンマンであるヴァージル・コールとその相棒エヴェレット・ヒッチを新しい保安官として雇い入れた。それから間もなく、町にやってきたアリソン・フレンチという女性に惹かれたコールは、ホテルのピアノ弾きの仕事を彼女に紹介するのだが…。


原題:APPALOOSA
監督:エド・ハリス
原作:ロバート・B・パーカー
脚本:ロバート・ノット、エド・ハリス
出演:ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス、レネー・ゼルウィガー

 残念ながら日本では公開されず、DVDスルーとなってしまったエド・ハリス監督の『アパルーサの決闘』、DVDを週末にようやく観ました! DVDは予約していたから発売後すぐに自宅に届いてたんですが、ロバート・B・パーカーの原作を翻訳本が出てすぐに読んでストーリーを知っていたせいもあり、ゆっくり時間のあるときに観ようと楽しみにとっておいたのです(笑)。

 いやぁ、エド・ハリスのヴァージル・コールもヴィゴのエヴェレット・ヒッチも、悪役ブラッグのジェレミー・アイアンズも渋い~っ。わたしは西部劇の映画ってほとんど観たことがないんですが、きっとこれが正統派、西部劇の様式美ってものなんだろうなぁと思わせる、とても端正な映画でありました。ただ、いかんせん映像的に地味ですね(笑)。西部劇が好きな人とか、出演している俳優さんのファンならOKでしょうが、そのどれにも思い入れがないと、展開が淡々としているだけにちょっとしんどいかもしれません。

 でもわたしは↑の俳優さん3人とも大好きだったので、とても楽しく観ることができました。コールとヒッチの固い信頼関係がとてもイイです。ふたりともおしゃべりではないので、交わす言葉自体はそんなに多くはないんですが、無言の間やさりげない視線の往復で互いのことを深く理解、信頼しあっていることがうかがえます。ヒッチは常にコールの一歩後ろに控えてコールのフォロー役に回っていて、コールはヒッチがそうやって後ろにいることを当然として疑いなく信じている。アパルーサにたどり着くまでの長い年月、命のかかった修羅場をいく度となくふたりでくぐりぬけてきたことを想像させます。最後まで彼らの熱い関係にほころびは生じず、周囲にいる女性陣も置いてけぼりって感じです(笑)。

 数少ない女性キャラクターのひとり、コールが心惹かれるアリソン役のレネー・ゼルウィガーも良かったですよ。アリソンはそのとき、その場所で、一番力を持った男に悪気なく擦り寄っていくタイプの女性で、はっきり云って一部の男ウケはするかもしれないけど同性には嫌われるタイプ。表面的には教養があって上品そうに見えるけど、見る人が見ればすぐに底がわれちゃうような感じ。そんな底の浅さや安っぽさをレネーはうまく表現していたと思います (実はあまり美人じゃないところも含めて)。コールが彼女にのめりこむのも、今まで接したことのないタイプの女性で、彼の学がないという密かな劣等感を“こんな上等な女が自分を頼りにしている”となだめてくれるからと思えば不思議ではありません。

 この映画、スペイン映画『アラトリステ』でヴィゴと共演したアリアドナ・ヒルがヒッチの馴染みの娼婦役で出演しているんですが、出番が少なくてちょっと残念だったな~。アリソンなんかよりずっと情に篤そうで人を見る目もある、イイ女なんですよ。もったいな~い! あと、町の有力者のひとりにティモシー・スポールもいました。この人、お顔と体つきになんとなく特徴があるからどんな格好をしていてもすぐわかりますね(笑)。シェルトン兄弟の片割れのランス・ヘンリクセンもほんの少ししか出てませんが印象的でした。

 雨なんかまったく降りそうにない、乾いた空気と砂とほこりのなかで繰り広げられる、熱い・厚い男の友情がとても心にしみる (最後のヒッチの決断と行動は本当にカッコいい!)、派手さはないですが渋好みの佳作だと思います。原作の続編『レゾリューションの対決』ではまたコールとヒッチのコンビが登場するようなので、機会があったら手にしてみようと思います♪

●映画『APPALOOSA』の公式サイトはコチラ (英語です)。

●映画の原作本

アパルーサの決闘
 ロバート・B・パーカー (早川書房)
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by nao_tya | 2009-07-15 12:47 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 オートボットとディセプティコンの戦いから2年。サムは大学進学を期に生まれ育った町を出ることになっていた。恋人のミカエラとの遠距離恋愛に不安はあるものの、新しい生活に期待を抱くサム。一方、地球に残ったオートボットたちは米政府に協力して対ディセプティコンの精鋭部隊NESTを組織し、世界中に散らばるディセプティコンの残党と戦っていた。そんなある日、サムは先の戦いで争いの元となった“キューブ”のかけらを発見し、それに触れてしまうのだが…。


原題:TRANSFORMERS: REVENGE OF THE FALLEN
監督:マイケル・ベイ
脚本:アーレン・クルーガー、ロベルト・オーチー、アレックス・カーツマン
出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル

 マイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー/リベンジ』を観てきました~。いやはや、前作の『トランスフォーマー』も大概にぎやかな映画でしたが、続編はさらにそれがパワーアップ! 上映時間の80パーセントくらいはなにかしらが爆発してたんじゃなかろーか(笑)。ド派手で楽しい、退屈する暇のない映画でした。でもちょっと尺が長いかも (上映時間150分)。とにかくドッカンドッカン、常に動きがある映画なので、最後は観てるほうも気力を必要とさせられる感じなんですもん。

 『トランスフォーマー/リベンジ』の公開に先立ってテレビで前作が放映されましたが、その放送を観た人がことごとく、「『トランスフォーマー』っておもしろかってんね~。映画館で観ればよかったわ。『リベンジ』は観にいこうかな」と云ってたのが印象的でございました。それでもって、「そうそう、こういうアクション映画は映像と音の迫力が段違いの映画館で観るのがお勧めよ~!」とプッシュするわたし。別に映画会社の回し者じゃないんだけど、スクリーンで観たほうがより楽しい映画というのは確実にあって、この『トランスフォーマー』のシリーズはそのタイプの映画だと思います!

 前作と比べてオートボットとディセプティコン、両陣営の金属生命体の種類が増えて、それらのトランスフォームが凝りに凝っているのがすごい。お調子者の小型犬?みたいなのやら気難しいおじいちゃんやら、個性的な面々が登場して楽しかった。ただ、人間そっくりにトランスフォームできるタイプは不要でしょう。あくまで“無機物”に変化できるのが彼らの特徴だと思うので。そして、彼らが絡み合って戦いだすと、動きが早すぎて目で追いきれなくなってしまうのは難点ですね。重量級クラスの対決は迫力が充分に伝わってくるし、前作よりスローモーションが増えて、多少観やすくはなった気もするけど、最終的には金属の塊がスクリーン中をゴロゴロしてるようにしか見えなくなるという…(笑)。

 キャラクターたちも前作から引き続き登場している人がたくさんいて、特にジョン・タトゥーロ演ずるところのシモンズ“元”捜査官の再登場はうれしかった~。イヤミでウザったい敵役から今回はサムたちに協力してちょこっと役に立つキャラになってて、でもマヌケで失礼なところは変わりがなくて安心しました(笑)。ミーガン・フォックスのミカエラが、今回の初登場シーンからやたらにセクシーなのも、いっそ笑えるくらいでしたな。全体的に「ちょっとやり過ぎ、サービス過剰なんでは…?」と思えるところまでやっちゃうのがマイケル・ベイ印って感じですね~。

 ストーリー的には特にひねりがあるわけじゃないから、ところどころに入る下品な下ネタシーンなどお笑い要素で息を抜きながら、迫力の映像を思考停止状態で素直に観ているとどんどん話は盛りあがっていきます。そして、とんでもない数の犠牲者を出そうと容赦なく世界遺産が破壊されようと、そんなこと一切お構いなしでさわやかなラストが待っていて、フィクションならではのこの強引さがスバラシイ (←褒めてるんです、一応。/笑)! こういう映画は細かいことを気にせず楽しんだ者勝ちというわけで、わたしとしてはとっても満足いたしましたです、ハイ。

●映画『トランスフォーマー/リベンジ』の公式サイトはコチラ

●前作のDVD

トランスフォーマー
 監督:マイケル・ベイ
 脚本:アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
 出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル
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by nao_tya | 2009-07-06 12:56 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 2018年。“審判の日”を辛くも生き延びた人々は抵抗軍を組織し、スカイネットとの戦いを続けていた。抵抗軍の一部隊を率いる立場となっているジョン・コナーは、スカイネットの抹殺リストの1位に、将来彼の父親となる、いまだ少年のカイル・リースの名前が挙がっていることを知る。カイルを救出しようとするジョンの前に、マーカス・ライトという記憶を失った男が現れるのだが…。


原題:TERMINATOR SALVATION
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランカトー、マイケル・フェリス
出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン

 マックG監督の『ターミネーター4』を観てまいりました~。前作の『ターミネーター3』はわたしはそんなに悪くないと思ったんですが、巷では賛否両論って感じでしたよね。今回の『ターミネーター4』もジェームズ・キャメロン監督の手になるものではないし、どんな感じかしらと思っておりましたが、わたしはおもしろいと思いました。ただ、ところどころに前作らを彷彿とさせてニヤッとさせるシーンはあるものの、全体的に「ターミネーター」シリーズらしさは薄れてきてるかな~って気はします。

 見た目はまったく人間との違いがわからないターミネーターが人間のなかに紛れこみ、黙々と無表情に人を殺していく不気味さ、怖さというのが「ターミネーター」シリーズにはあったと思います。ところが、『ターミネーター4』では舞台が審判の日以後の世界に移り、シュワちゃん型ターミネーターが開発される前に設定されたので、ターミネーターたちは一発で機械とわかるむきだしのボディ。戦闘を重ねるごとに肉(?)が剥がれ落ちて、機械の部分が露出したグロテスクな姿で、倒しても倒してもジョンたちに迫ってくる恐怖がなくなってしまったのは残念でありました。

 その代わりと云ってはなんですが(笑)、『ターミネーター4』ではいろんなタイプのターミネーターが出てきて、それらはすごく魅力的! わたしが一番好きだったのはバイク型のターミネーター、モトターミネーター。でっかいハーヴェスターからポンポンと飛び出してきて、障害物をかいくぐりながら疾走していく姿はたいそうカッコよかったです~。

 荒廃しきった世界のヴィジュアルもよくできてました。緑がほとんどなくて、すべてがホコリをかぶったように白っぽく、彩度の低い乾いて沈んだ世界。なんとなく、コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』を映像化して湿度をとりさったらこんな風になるかな? という感じ (←余談ですが、こちらの映画は秋にアメリカで公開されるみたいですね~。果たして日本公開はあるのか!?)。

 クリスチャン・ベイルが演じたジョン・コナーは抵抗軍の一部隊を率いて戦いの先頭に立つ、すっかりリーダーシップを発揮する存在になっちょりました。今作が『ターミネーター3』の続編だとすると、あの頼りなげなジョン・コナーからは想像できない別人のような変わりっぷり(笑)。頼もしいと云えばそのとおりなんですが、わたしはヨロヨロしながらもリーダーであることに目覚めていくジョンの成長過程を観たかったなぁ。クリスチャン・ベイルは苦悩する姿が似合うと思うから(笑)。その点はちょっと物足りなさがありましたね~。

 苦悩するジョン・コナーは観られませんでしたが、苦悩するターミネーターと人間のハイブリッド、マーカス・ライトはじっくり堪能しました! 演じているサム・ワーシントンがイイです。見た目はゴツイ系なのにどこか繊細さを感じさせる表情とかね~。あくまでも人間であろうとした彼が、与えられた“セカンド・チャンス”をどう活かすのか、予想はついていましたがやっぱり感動的でした。『ターミネーター2』のジョンとT-800みたいに、カイルやスターとの絡みがもっとあればこの感動はより深いものになっていたのに、と思いましたです。

 『ターミネーター4』ではサラが遺したテープの内容とはかなり違った未来になってきているので、ぜひともまた続編を作ってほしいです。今のところ人間とスカイネットとはまったくの敵対関係にしかないわけですが、『ターミネーター4』では初めてスカイネット本人が顔を出し(?)自身の言葉で話したことからも、機械・テクノロジーと人間の対話の可能性が出てきたと云えるかもしれないし、未来から過去へターミネーターたちがやってきてジョンたちを狙うというパターンだと、ストーリー展開にいろいろ制約ができてしまうでしょうが、審判の日以後の未来がどうなっていくかは、云ってみれば製作者たちが自在に生み出していけるわけですしね! 

●映画『ターミネーター4』の公式サイトはコチラ
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by nao_tya | 2009-06-22 12:57 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 18歳の少年ジャマールはクイズ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問正解すれば番組史上最高の賞金を獲得できるところまできていた。しかしスラム出身で教育も受けてこなかったジャマールがここまで正解を重ねることができたのは、何らかの不正を働いていたに違いないと考えた番組司会者の通報により、ジャマールは警察に逮捕されてしまう。取調べのなかでジャマールはどうやって自分がクイズの正解を知ったのかについて話しだすのだが…。


原題:SLUMDOG MILLIONAIRE
監督:ダニー・ボイル
共同監督:ラヴリーン・タンダン
原作:ヴィカス・スワラップ
脚本:サイモン・ボーフォイ
出演:デヴ・パテル、マドゥル・ミッタル、フリーダ・ビント

 気がついたらそろそろ公開終了が近づいていそうだったので、ダニー・ボイル監督の映画『スラムドッグ$ミリオネア』を観にいってきました~。上映回数が減って1日2回しか上映してないせいもあるかもしれないんですが、観客の入りはそんなに悪くなかったですね。小学校高学年らしき男の子たち (10人弱くらい?) が連れ立ってきていたのが珍しかったです。ミニシアターの観客は年齢層高めだからかなり目立ってたなぁ。

 クイズ$ミリオネアというテレビ番組がイギリス生まれのもので、そのフォーマットがいろんな国で買われて、音楽や舞台セットなどはどれも共通の各国版クイズ$ミリオネアが放映されている、というのは知っていましたが、インドでも放映されていたというのがまず驚きでした。映画によると、インドのクイズ$ミリオネアの最高賞金は2000万ルピー。日本円に換算するとだいたい4000万円だそう。2000万ルピーってインドの貨幣価値からするととんでもない額のお金だろうから、これを獲得できれば確かに人生が変わるかもしれないですよね~。

 ゾンビも走らせる (@『28日後…』。正確にはゾンビじゃないんですけど/笑) ダニー・ボイル監督だけあって、映画は疾走感にあふれた勢いのあるパワフルな映画でした。オープニングからラストまで一気に駆け抜けていった感じ! 映画のなかでは3つの時間軸 (ジャマールが警察で尋問を受けているとき、クイズ$ミリオネアの収録時、彼の少年時代) が循環するようにして描かれていくんですが、時間を前後するごとに、ジャマールがなぜクイズの回答を知ることができたのかがひとつずつ明かされていきます。

 名前を知っている俳優さんはひとりとしていませんでしたが、そのぶん先入観なしに映画のなかへ入っていけた気がします。そして観終わったあとは、主要キャラクター3人 (ジャマール、ラティカ、サリーム) のことがとても愛おしく思えました。貧困のなかでも純粋さを失わず、初恋の相手へまっすぐに自分の思いをぶつけるジャマール、芯の強さとしなやかさを感じさせるラティカ、犯罪に手を染めながらも弟への愛情は残していたサリーム、みなが同じように愛おしい。最初はサリームのことは「なんてヤツ!」と腹立たしく思ってましたが、彼の狡猾さがなければ、もしかすると幼いジャマールはスラムでは生き抜いていけなかったかもしれないということ、そういう生き方しか選べなかったサリームの哀しさみたいなものを考えると、その腹立たしさも薄れてしまうのでした。

 最初にジャマールがどうやってクイズの答えを得たのかという謎から始まり、彼のこれまでの人生が語られるにつれ、徐々にラティカとのラヴロマンスへとシフトチェンジしていき、ボリウッド映画のような賑やかなダンスシーンで終わる物語は、最後にあたたかい希望を残してくれました。悲惨なスラムの状況さえも、たくましく活力にあふれた人々の生活を感じさせる映像で魅力的に切り取ってみせるので、インドの持つエネルギー、ダイナミズムがずんずんスクリーンをとおして伝わってきました! “運命”という言葉からはロマンティックなものを想像しがちですが、この映画は悲惨なもの、残酷なもの、光も影もすべてをひっくるめて運命というんだ、と伝えている気がします。あと、原作は映画とはまた違ったおもしろさがありそうなので、今度読んでみたいと思います!

●映画『スラムドッグ$ミリオネア』の公式サイトはコチラ

●映画の原作本
 『ぼくと1ルピーの神様
  ヴィカス・スワラップ (ランダムハウス講談社文庫)
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by nao_tya | 2009-06-01 21:42 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 ハーバード大学の宗教象徴学者であるロバート・ラングドンのもとに、ヴァチカンから協力を求める使いがやってきた。ヴァチカンではローマ教皇が逝去し、新たな教皇を選出するコンクラーベがおこなわれようとしていたのだが、新教皇の最有力候補の枢機卿4人が秘密結社イルミナティに誘拐されたというのである。イルミナティは1時間ごとに枢機卿を殺害し、ヴァチカンそのものも爆破すると予告。イルミナティはスイスのCERN (欧州原子核研究機構) から強力な破壊兵器にもなる反物質を盗み出していた。ヴァチカンにやってきたラングドンはCERNの科学者ヴィットリアとともに事件解決に奔走することになるのだが…。


原題:ANGELS & DEMONS
監督:ロン・ハワード
原作:ダン・ブラウン
脚本:デヴィッド・コープ、アキヴァ・ゴールズマン
出演:トム・ハンクス、アイェレット・ゾラー、ユアン・マクレガー

 ようやく神戸も新型インフルエンザについてひとまず安心宣言が出ましたね~。毎日マスクして出勤するのにいい加減うんざりしていたので素直にうれしい(笑)。で、さすがに感染者が増えつつあったときには、映画館という閉鎖空間に出かけるのもな…、と先延ばしにしていた映画を観てきました! 観たのはロン・ハワード監督の『天使と悪魔』です。『ダ・ヴィンチ・コード』の続編ですね (原作は『天使と悪魔』のほうが先に出版されてますけど)。

 実は、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』がわたしとしては微妙な評価だったので (謎ときの展開が早いわりにはヘンな中だるみがあって、人物の掘り下げがイマイチ)、『天使と悪魔』にはさほど食指をそそられておりませんでした。んがしかーし! カメルレンゴを演じるのがユアン・マクレガーと知ってからは観にいく気ムンムンになってました(笑)。主役をはるトム・ハンクスにはあまり興味がないけど (←ひどい/笑)、ちょっと映画情報を観てみたら、ステラン・スカルスガルドやアーミン・ミューラー=スタールも出演してるし、脇役がわたし好みなのもイイ!

 観た感想はと云いますと、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』よりはずっとおもしろかったです~。ハリウッド映画らしくアクションに重点がおかれていて、謎解きの部分は「これまで何百年も謎のままだったことがこんなに次々明かされるって…」と呆れるくらいどんどこ進んでしまうのは相変わらず。でも、ラングドンがとにかくしゃべりつづけて説明してくれるし、道筋がすっきり整理されていてわかりやすかった。前作のように前知識がないとついていけないってことはないと思います。あと、ローマの街やヴァチカン (これはロケ許可が下りなかったろうからセットや代替地?) の風景が重厚だったり壮大だったりと、すごく見ごたえがあって映像面も堪能できます。なんていうか旅行にいきたくなってしまう映画ですな!

 謎解きのせわしなさも、今回は教皇候補の枢機卿たちが殺されるまでの時間が決められており、タイムリミットまでの時間のなさを強調するようで、全体的に映画にスピード感を与える効果があったのかもしれません。ラングドン教授があっちだ、こっちだとローマの街を休む暇もなく駈けずりまわるのに引きずられるようにしているうちに2時間半が経っちゃった感じ。

 そしてお目当てのカメルレンゴ役、ユアン・マクレガーはひいき目バリバリは承知のうえで良かったと思うなぁ♪ カメルレンゴは多面性を持つ複雑なキャラクターですが、ユアンが演じることでより魅力的になった気がします。禁欲的な、裾の長い神父さんの服装がユアンによく似合ってたし。こういう裾の長いずるずるした衣装がなぜか決まる人なんですね (←スターウォーズとか/笑)。システィーナ礼拝堂でコンクラーベの出席者たちを前に、カメルレンゴが宗教と科学について語りかけるシーンなんてかなり感動的でした。普段はぴったりと7:3に分けている髪の毛が、終盤のサン・ピエトロ広場で群集をかきわけていくシーンで乱れているところとか、ちょっとドキドキしてしまいましたわ~(笑)。

 ステラン・スカルスガルドは原作よりや出番が少なくて、やや印象がうすかったかも。もっとあの怖いお顔で怪しさ満点に出てきていたら、もう少しカメルレンゴとの対決シーンがおもしろくなったんじゃないかなぁ。アーミン・ミューラー=スタールは相変わらず独特の雰囲気をかもし出してました。東ドイツ出身の俳優さんなので、ちょっと訥々とした感じになる英語のセリフに自然に耳が引き寄せられる感じ。善良そうなおじいちゃん、腹黒い悪人、どちらでもOKなところがあるので、(原作を読んでなければ) けっこう惑わされていたかもしれません。 

●映画『天使と悪魔』の公式サイトはコチラ

●映画の原作本 (文庫)
天使と悪魔 (上巻)

天使と悪魔 (中巻)

天使と悪魔 (下巻)
 ダン・ブラウン (角川文庫)
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by nao_tya | 2009-05-29 13:10 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 クリスタル・レイクにキャンプにきていた妹ホイットニーが行方不明になって6週間。警察の捜査がアテにならないと考えた兄のクレイは独自に妹を探しはじめていた。湖の近くの別荘に遊びにきていた大学生グループのひとりに協力してもらい、一緒に森を捜索しているうちにクレイは壊れかけた古い小屋を発見するのだが…。


原題:FRIDAY THE 13TH
監督:マーカス・ニスペル
原案:ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト、マーク・ホイートン
脚本:ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト
出演:ジャレッド・パダレッキ、ダニエル・パナベイカー、アマンダ・リゲッティ

 『ブラッディ・バレンタイン 3D』を観たあと、お昼&お茶休憩をはさんで劇場を移動し、ホラー映画2本目に突入~! 慣れないメガネのせいか、『ブラッディ…』を観終えるとかなりグッタリした気分だったんですが、休憩している間に回復してきたので勢いにのっていってきちゃいました。こういう勢いがないとホラー映画ってなかなか劇場で観る気になれないし(笑)。観たのは、もちろんジャレッド・パダレッキ主演、マーカス・二スペル監督の『13日の金曜日 -FRIDAY THE 13TH-』でござんす。

 『13日の金曜日』シリーズはこれまでに10作以上製作されて、ホッケーマスクのジェイソンは、『エルム街の悪夢』のフレディと対決したり宇宙にいったりの活躍ぶりですが、実はわたしは1作も観たことがございません (←だからホラーは苦手なんだってば~)。あまりにもジェイソン・ワールド(?)が広がりすぎたためか、今回は一度リセットしてリメイク版となり、基本にたちかえってクリスタル・レイクが舞台です。導入部でジェイソンがなぜ殺人鬼になったのかなども簡単に描かれ、初心者でもわかりやすい作りになっておりました。

 背後からぬ~っとジェイソンが現れて、あっという間に人を殺戮していく様子は迫力があったしかなり怖かったですが、殺される大学生グループのあまりのお約束のバカっぷりに呆れてしまって、映画の中盤くらいまでは被害者たちにあまり同情できなかったな~。やっぱり登場人物に多少なりとも感情移入できないと、殺され方にビックリはしても心からの恐怖心を抱くまでにはならないのかも。でも、中盤を過ぎてからは生き残っている人間が限られてくるので、心臓バクバク度も上がっていって、かなりホラーとして正しい楽しみ方(?)ができた気がします。

 お目当てのジャレッドは、『スーパーナチュラル』のサムとは違うごく普通の好青年でなかなかよろしかったです。ただ、テレビドラマだとバストショットが多いせいか、そこまで頻繁に目につかなかったジャレッドの体格の良さ (身長193センチ) がスクリーンだと目立つ目立つ~! ジャレッドが演じてるクレイが女の子と並ぶと頭2つはデカイし、クレイはバイクで移動してるんですが、中型~大型のバイクがどうかすると原付に見えちゃう(笑)。大男のジェイソンとタメをはる背の高さだから組み合う格闘シーンも互角の勢いだし、演技力云々以前の問題でひっかかってしまうのはちょっと気の毒だったかな。それとも、こんなことを気にしてしまうのはジャレッドのファンだけなのか(笑)。

 アメリカではオープニング成績も良くて製作費をあっさり回収できたようですし、続編が作られてもおかしくないエンディングだったので次も作られるかもしれませんね~。多分、わたしはジャレッドが出てなければ続編は観にいかないとは思うけど(笑)、興行成績が良いというのは主演俳優のファンとしてはうれしいです。90分少々、ワ~キャ~コワイ~ッ! と思いながら観て、あとはあっさり忘れられるタイプのホラー映画としてなかなか出来はいいと思いますし、ホラーが心底苦手でなければお勧めです。

 そうそう、この『13日の金曜日』、映画パンフレットもグッズも一切作られていないようで、そこがちょっと残念でした。↑で云ってるように今までのシリーズを一切観てなかったので、本編を観るまでにパンフで予習しとこうかと思ってたのに (そうすると恐怖が少しでも目減りするような気がするから/笑)。たま~にこういう風にパンフやグッズがない映画がありますが、権利関係などがややこしいんでしょうか。謎でございます~。

●映画『13日の金曜日』の公式サイトはコチラ
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by nao_tya | 2009-02-18 23:22 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 アメリカの小さな炭鉱の町ハーモニーでは、炭鉱主の息子で新米鉱夫のトムのミスで事故が発生。6人の人間が炭鉱に閉じ込められてしまい、うちハリーだけはなんとか救出されるが、意識不明の状態になってしまった。1年後に突然目覚めたハリーは、ツルハシを手に22人の住民を殺害した後に死亡する。事故から10年後、亡くなった父の鉱山を売却するためハーモニーに戻ってきたトムだが…。


原題:MY BLOODY VALENTINE 3-D
監督:パトリック・ルシエ
脚本:トッド・ファーマー、ゼイン・スミス
オリジナル脚本:ジョン・ベアード
出演:ジェンセン・アクレス、ジェイミー・キング、カー・スミス

 基本的にホラー映画は苦手なんですが、なぜか2月は2本もホラー映画を劇場で観ることに…。理由は単純明快。最近ハマっている海外ドラマ『スーパーナチュラル』の主演2人組が、それぞれホラー映画のリメイクに主演していて、それらがほぼ同時期に公開されたから~。ジャレッドとジェンセン、このふたりに注目するようになってから、初めてスクリーンで観ることのできる映画がなんだってホラーなんだよぅ! と嘆きながらも、公開されてすぐに劇場に足を運んでしまう。それがファン心理ってものなんですよね…(笑)。

 最初に観たのはパトリック・ルシエ監督、ジェンセン・アクレス主演の『ブラッディ・バレンタイン 3D』。タイトルにあるとおり、3Dの映画でございました。ちゃんとした3D映画を観るのは初めてだったんですが (TDLやUSJでなら観たことがある/笑)、普段裸眼で過ごしている人間にはあの3Dメガネ、非常に違和感があって長時間の鑑賞はチトしんどかったわ~。“誰にでも合う”画一的なサイズって、結局“誰にも微妙に合わない”ってことなんですな。

 それでもってこの『ブラッディ・バレンタイン3D』の感想なんですが、3D映画であるという特性を活かしきっているかというとちょっと疑問符がつく感じでした。確かに凶器とかぶった切られた物体がひゅんって感じで自分の目の前にくる感じとか「うおっ!?」って思うシーンもあったし、人間が画面奥から手前に移動してくるときの、こちらに迫ってくる様子とか、奥行きのある画面はおもしろかったんですけど、これはどうしても3Dでないと表現できなかったよなぁ! という類の驚きは全体的になかったように思うのです。

 むしろ、3Dであることを強調したいがために、殺戮シーンがやたらと先のとんがったツルハシを使ったものばかりになってしまったりと、かえって単調になってしまってるような。せっかくの恐怖シーンなのに怖さが目減りしてしまった気がするんですよね~。少なくとも、わたしはめっちゃコワイ、もうアカン! と目をつむってしまったシーンはなかったですよ。エグイな~って思ったところはあるんだけど。

 ストーリー的にも、81年のオリジナル『血のバレンタイン』は観ていないのにも関わらず、最後のどんでん返しであっと驚くこともなかったですし、どうにも平凡な印象がぬぐえない感じ。3D映画=特別料金ということでチケット代が大人ひとり2000円なだけに、ちょっと残念な印象が残ってしまいました。まぁわたしは立体的にまつ毛バッサバサのジェンセンの美貌をドアップで繰り返し堪能いたしましたので、かなり満足感があるんですけど(笑)、そういうポイントアップが望めない人には強いてはお勧めしないかなって感じ。

 ただ、ストーリーは今ひとつピリッとしてないんだけど、役者さんたちはがんばってたと思います。自分の引き起こした事故を引き金にした惨劇で心に深い傷を負ってしまったトムを演じていたジェンセン、自分の妻となったサラが昔の恋人トムを忘れていないのではないかと疑い、どこか暗さを漂わせるアクセル役のカー・スミス、どちらも良かったです。モーテルのシーンなどは『スーパーナチュラル』を思い出させるところがあって、サムが今にも登場しそうな気がしたのも、個人的にはなんだかツボでした(笑)。

 あと、日本上映版は映倫の関係かカットされているシーンがあるそうなので、アメリカ版を観てみたいな~。それに日本での上映は吹替版しかないので、役者さんたちの地声が聞ける字幕版も観たい。吹替版しかないのは、字幕を読みながら3D映像を観ると酔ってしまう可能性があるからと聞いたんですが、本当ですかね?? それなら3Dでなく普通の字幕版でいいから上映してほしいわ~ (←3D映画としてのキモを捨てろというのはちょっと無理難題か!?/笑)。

●映画『ブラッディ・バレンタイン 3D』の公式サイトはコチラ
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by nao_tya | 2009-02-16 23:28 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 海辺に建つ孤児院で幼少時代を過ごしたラウラ。養女となって孤児院を出たラウラは、30年後に閉鎖されていた孤児院を買い取った。医師の夫と7歳の息子シモンとともに移り住んだラウラは、障害を持つ子どもたちのための施設として孤児院を再建する予定で準備を進めていた。ところが、入所希望者たちを集めたパーティのさなか、シモンが忽然と姿を消してしまい…。


原題:EL ORFANATO
監督:J.A.バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
出演:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ

 1月に入ってからミニシアター系の映画をあまり観てないな~と思い、映画情報をチェックしたときにひっかかったのがJ.A.バヨナ監督の『永遠のこどもたち』。スペインのホラー(?)映画です。宣伝なんかでは、バヨナ監督より名前のとおりがいいギレルモ・デル・トロが製作総指揮だってことが前に出てきてますね(笑)。アメリカでは製作資金を集めてくるプロデューサーのほうが、監督より映画の内容について発言権があるようですが、スペインではどんな感じなんでしょう??

 さてさて、映画そのものの感想はといいますと、おもしろかったしコワかったし切なかった~ッ。コワさという点では、どちらかというとヴィジュアルとか音とかでショックを与えて、瞬間・瞬間を怖がらせるタイプのホラーだったかと思います。後から思い返してゾ~ッという、背中のもぞもぞするような薄気味悪さじゃなかったので、怖がりのわたし的にはかなり気が楽でした。孤児院だった建物とか海辺の洞窟とか、ロケーションもほの暗い雰囲気をたたえていて良かったです。

 物語としては、母親の子どもに対する深い愛情と、そこから生まれてくる強さが丁寧に描かれていて、“これでいいの??”というやるせなさやもどかしさ、哀しみもあるんだけど、それとともに不思議な感動を覚えるラストになっておりました。行方不明になった子どもを母親が懸命にとりもどそうとするホラー系の映画というと、『サイレントヒル』とか『ザ・ダーク』なんかを思い出すんですが (これ、どちらもショーンB出演作ですな。後者はちょっとマイナーですが/笑)、おもしろさと感動の度合いからいくと、この『永遠のこどもたち』のほうが圧倒的に上だと思いました!

 母親のラウラを演じたベレン・ルエダがとにかく素晴らしかった~。行方不明になるシモンっていうのは実はラウラ夫妻とは血のつながりのない養子。でもそんなことは関係なしに彼女は無限の愛情をシモンに注いでいるのですね。シモンを探し求める彼女は正気と狂気の境界に立っているようで非常に不安定でもろくも見えるし、自分とシモンの間にある障害をものともしない強さを感じさせもしました。

 あと映画本編とは関係ないのですが、霊媒師役で登場する女優さん、チャップリンの娘さん (ジェラルディン・チャップリン) だそうで。云われてみれば、目のあたりとか似てるような気もしなくはない…? 周りから理解を得ることができず、孤立した状態になってしまったラウラに助言を与える彼女は、伸びた背筋と憂いを秘めた目がとてもステキでした。

 しかし、親と子どものきずなというと、どうしても“母と子”の組合せになってしまい、父親が疎外されちゃうんですね~。もちろん母性愛というのはとても強いものだと思いますが、映画のなかで描かれる母性愛には、いくばくか男性の抱く幻想が入り込んでいるような気がしなくもなかったり(笑)。なにより、母子のつながりの深さに太刀打ちできず、現実にひとり取り残されちゃう父親がちょっとかわいそうな気もするのでありました。

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by nao_tya | 2009-01-26 14:21 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 愛するヴェスパーを裏から操っていたミスター・ホワイトを捕らえたボンドは尋問をおこない、今までMI6が存在を掴んでいなかった巨大な組織の存在を知る。調査のためハイチへ向かったボンドはそこでカミーユという謎めいた女性と出会うことになるのだが…。


原題:QUANTUM OF SOLACE
監督:マーク・フォスター
原作:イアン・フレミング
脚本:ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
出演:ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック

 土曜出勤が終わったあと、せっかく下界におりてきてるんだし~と、マーク・フォスター監督の『007/慰めの報酬』の先行上映にいってきました! 劇場の入りはほどほどで、けっこう年配の男性、ご夫婦の姿が目についた気が。やはりボンド映画は昔からのファンがたくさんいるってことですねぇ。

 ボンドがダニエル・クレイグに交替した『カジノ・ロワイヤル』の完全なる続編で、『カジノ…』のラストシーンの1時間後という設定のもと、なんの説明もなく話がスタートします。ということで、前作の知識がないとちょっと話についていけないところがあるのはマイナス点ですね。わたしは前作を観てますが、劇場で1度観たきりなので、最初は「ミスター・ホワイトってどちらさまでしたかしら??」という感じでした…。さすがに2年も前だと記憶があいまいになっちゃいます (←実は2週前でもたいして変わらなかったりする/笑)

 でも、最初のカーチェイスのシーンからスピーディでド迫力なアクションが展開されていき、そのスピード感をたもったまま話がずんずん展開していきます。とにかくクレイグ・ボンドは現れる障害物を一瞬の躊躇もなくなぎ倒し、次なる目標へと突き進んでいきます。無口でほとんど表情を変えないボンドにすごくタイトな演出があいまって、非常に緊張感の高い最初から最後までピンと張り詰めたような空気がただようボンド映画となっていました。ところどころに笑いどころもあるんですが (グリーンの部下のズラがバレるところとか/笑)、「え、ここ、笑っていいの!?」と、一瞬笑うのがためらわれるような雰囲気が…。

 わたしはボンド映画すべてを観ているわけではないし、ボンド映画の大ファンってわけでもないのですが、やはりピアース・プロスナンまでのボンド映画とはまったく系統が違うものになってるのはわかりますね。これまでのゆるい、というとちょっと語弊があるかな~、遊び心とお約束が満載のボンド映画もおもしろかったですが、クレイグ・ボンドのリアルで人間くさいボンドもすごく好きだしめちゃくちゃ楽しめました! 

 そうそう、ジュディ・デンチ演じるところのMも相変わらずカッコよかった♪ 彼女とボンドの間の信頼関係がとてもイイです。あんなにおっかないMのことを母 (のようなもの) と云えるのは、英国情報部のなかでもボンドだけだと思うわ~(笑)。あと、Mの私生活がかいま見えるところもおもしろいですね。

 『カジノ・ロワイヤル』を観ていないとわかりづらいところがあるのがマイナスですが、しっかり復習してから観ればかなりの満足感が得られると思うな~。内には様々な思いを秘めながらも、それを表面には表さずひたすら渋くてクールなボンド、次作もめっちゃ楽しみです!

●映画『007/慰めの報酬』の公式サイトはコチラ

●前作のDVD

カジノ・ロワイヤル
 監督:マーティン・キャンベル
 脚本:ニール・パーヴィス
 原作:イアン・フレミンブ
 出演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン
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by nao_tya | 2009-01-19 23:17 | 映画感想etc.
〔ストーリー〕
 第二次世界大戦を回避した1949年の日本は、極端な貧富の差が生まれ、特権階級が富を独占する社会となっていた。帝都では富裕層ばかりを狙う怪盗・二十面相が世間を騒がせている。サーカス団の花形曲芸師・平吉はひとりの男に、羽柴財閥の令嬢・葉子と男爵で名探偵の明智小五郎の結納の儀の様子を撮影してきてほしいと依頼されるのだが…。


監督:佐藤嗣麻子
アクション監督:横山 誠、小池達朗
原作:北村 想
脚本:佐藤嗣麻子
出演:金城 武、松 たか子、仲村トオル

 三連休の間に1本映画を観てきました~。観たのは佐藤嗣麻子監督の『K-20<TWENTY> 怪人二十面相・伝』。小学生のころの愛読書といえばルパン物、ホームズ物、明智小五郎物だったわたしとしては、映画のタイトルに“二十面相”と入っていればやっぱり気になっちゃって。ちなみに北村想さんの原作小説は未読の状態で観にいってきました。

 観た感想としては、気になるところがなかったわけではないし (金城武さんのセリフ回しとか…/笑)、全体的にテンポがゆるくてまったり感が漂ってる気もしますが、気楽な娯楽映画としては十分及第点の楽しい映画で、なかなかわたしは良かったと思います! 『三丁目の夕日』の白組がVFX担当ということで、第二次世界大戦を回避した1949年の日本という架空世界の、レトロチックなヴィジュアルもかなり凝っていて見ごたえがありました。

 ↑で云ってるように、金城武さんの日本語は滑舌のわるさといまいち棒読みなところがひっかかりますが、黙っていれば二枚目なのに表情や仕草にどこかコミカルなところが漂う、人が好さそうな (騙されやすそうな/笑) 平吉がハマリ役でしたし、仲村トオルさんのちょっと陰険そうな明智小五郎もイイ感じでした。羽柴財閥の令嬢・葉子役の松たか子さんは、世間知らずの深窓の姫君というにはちょっと親しみやすい雰囲気が勝ってる気がするけど、おきゃんでかわいいお嬢さんというのはよく出てたと思います。 主要3人のワキを國村隼さん、小日向文世さんなどなど豪華なメンバーが固めていて安心感もあるし、ほんの1シーンに意外な顔が登場するのも楽しい。

 軍警の警官たちが犯人追跡にわらわら出てくるモブシーンや、葉子さん操るところのオートジャイロのシーンなど、宮崎アニメを実写化したような場面が目につきましたが、これって日テレが製作委員会に入ってるから問題ないのかな(笑)。アメコミ風のオープニングといい、すでにあるものを意識してわざとパロディ風にしてるのかもしれないですし、わたしはおもしろく観てましたけど、“どこかで観た感”が漂うのは否定できないかな~。

 アクションシーンはわざわざアクション監督が別についてることからもわかるように、かなり力が入ってましたね~。ワイヤアクションはもちろん、パルクールもうまく話の流れにとりこまれていてカッコよかったです! 金城武さんも仲村トオルさんもタッパがあるのでアクションシーンがキチッとはいると2割り増しになるので得ですな(笑)。

 明智探偵よりよほど小林少年のほうが推理力がありそうに見えて違和感を覚えさせるので、二十面相の謎に関してはわりと早い段階で予想がついてしまうところがちょっと惜しい。でも、犯人探しのミステリ物というより活劇物として観れば、そのわかりやすさも含めてけっこう出来がいい映画だと思います。江戸川乱歩の二十面相とはひと味違う、和製のダークヒーローとして二十面相を誕生させたのだから、明智探偵のあとを継いだ小林少年と対決する続編を作ってもおもしろいかもしれませんね~。

●映画『K-20〈TWENTY〉 怪人二十面相・伝』の公式サイトはコチラ

●映画の原作本
怪人二十面相・伝

怪人二十面相・伝〈PART2〉
 北村 想 (小学館文庫)
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by nao_tya | 2009-01-12 20:53 | 映画感想etc.