映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『ブーリン家の姉妹』

〔ストーリー〕
 16世紀のイングランド。国王ヘンリー8世は王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの間に世継ぎの王子が誕生しないことに悩んでいた。そのことを知った新興貴族のブーリンは義弟ノーフォーク公爵と計らい、ブーリンの娘アンを愛人候補として差し出すことにした。しかし鹿狩りのためブーリン邸にやってきた王は、アンではなくその妹メアリーを気に入ってしまう。メアリーはすでに結婚していたものの、気の進まぬまま王に望まれ宮廷に出仕することになるのだが…。


原題:THE OTHER BOLEYN GIRL
監督:ジャスティン・チャドウィック
原作:フィリッパ・グレゴリー
脚本:ピーター・モーガン
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ

 週末に姉から「映画のタダ券あるねんけど、なんか観にいかへ~ん?」とお誘いの電話がかかり、いそいそと出かけてきました。どうやらお義兄さんの会社の福利厚生の一環で映画のチケットが配られたのをわたしに回してくれたみたいです。ありがとう、お義兄さんっ♪

 観てきた映画はジャスティン・チャドウィック監督の『ブーリン家の姉妹』。実はわたし、エリザベス1世の母であるアン・ブーリンのことやヘンリー8世のことは知っていましたが、アン・ブーリンに姉 (映画では妹になっていますが、姉説が有力らしい) がいたことや、その姉のメアリーのほうが先にヘンリー8世の愛人になっていたことなどは、この映画の存在を知るまでまったく知りませんでした。最初にこの映画のことを聞いたとき、メアリーのことを映画をつくるうえで創造した架空の人物かと思ったくらいです。

 だから、原題の“THE OTHER BOLEYN GIRL”=もうひとりのブーリン家の娘というのは、歴史上あまりにも有名なアン・ブーリンの影にかくれるようになってしまったメアリーのことかと考えたんですが、実際に映画を観てみるとこれはどちらともとれるように感じましたね。少なくともふたりの姉妹のあいだでは、相手こそが人から注目され関心を集める存在であり、自分は影の存在でしかないと考える時期があったわけですから。

 小さなころから役者をやっていて演技力もある若手女優という共通項はあるけれど、世間的なイメージはまったく違うスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマンが対照的な姉妹を演じるというのがまず興味をそそりますよね~。結論からいってこのキャスティングは大成功だったと思います。ふたりとも役柄とは違う素の部分をまったく感じさせず、スカーレットは純真でおだやかなメアリーに、ナタリーは上昇志向や我の強いアンに、それは自然に見事になりきっておりました!

 そして、性格的には似たところはないけれど、ふたりとも (表面に出るか出ないかの違いはありますが) 芯の強さという点ではよく似通っていてやはり姉妹であり血のつながりがあるということ、互いのことを妬んだりうらやんだり憎んだりしながらも、どうしても切ることができない深い絆や愛情、そういった諸々を感じさせる仕草や細かな表情、視線の投げ方などがとにかくうまい~。

 歴史的な資料が少ないぶん、メアリーという女性を自由に肉付けすることができ、そのメアリーと対比することでアン・ブーリンもまた単なる悪女や野心家ではなく、自分の才覚で道を切り開こうとした、ある意味現代的な女性という側面を強く出すことができて、観てる側としては感情移入がしやすかったです。

 時代劇なので衣装なども華やかで見ごたえがありました。アンはグリーンやブルーの寒色系、メアリーは赤や黄色の暖色系のドレスを身にまとってますが、デザインなどはおそろいでとてもかわいいです。フランスから帰国したアンが身につけるようになったアルファベットのBをデザインしたネックレスをはじめ装飾品もゴージャス。こういう細かなものが映画の雰囲気を高めるのに一役買ってる感じ。

 姉妹の母親役にはクリスティン・スコット・トーマス、ヘンリー8世はエリック・バナ、キャサリン・オブ・アラゴンはアナ・トレントと、ほかのキャストもゴージャス。あ、姉妹の弟はジム・スタージェスが演じてましたね~。ジム・スタージェスは最初どこかで観た顔…? と考えてて、ラスト近くでようやっとわかったくらいなんですけど(笑)。

 ヘンリー8世は奥さんをとっかえひっかえして、結局6人も王妃がいるような人なので、わたしはあまりいい印象を持ってないんですが、エリック・バナが演じるとすっかり“苦悩の人”! 特にアンの命乞いに現れたメアリーと対面したときのヘンリー8世は疲れきった様子が同情せずにはいられない風で、演じる人によってずいぶん印象が変わるもんだな~と思ってしまいました (でもよくよく考えたらアンの処刑の翌日にジェーン・シーモアとの婚約を発表してるんだよな…)。

 一緒に観た姉は、この映画が歴史上の事実に色々脚色した物語だということをまったく知らずにいたそうですが、それでも華麗な宮廷絵巻とドロドロした人間模様をかなりおもしろく観たそうです。イギリス史を少しかじっていればより一層楽しめることは間違いなし! わたしはこの映画を観て、『エリザベス』、『エリザベス:ゴールデンエイジ』を観たくなってしまいました(笑)。

●映画『ブーリン家の姉妹』の公式サイトはコチラ

●映画の原作本

ブーリン家の姉妹
 フィリッパ・グレゴリー (集英社文庫)
 
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by nao_tya | 2008-11-17 23:11 | 映画感想etc.