映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』

〔ストーリー〕
 1969年。小学生のケンヂは原っぱに秘密基地を作った同級生の友人たちと、20世紀の終わりに人類滅亡を企む悪の組織と戦う正義の味方の物語を考えだし、それを『よげんの書』として書き記して遊んでいた。1997年、大人になったケンヂはミュージシャンになる夢をあきらめ、姉の子どもカンナを育てながらコンビニを経営していたのだが…。


監督:堤 幸彦
原作:浦沢直樹
脚本:福田 靖、長崎尚志、浦沢直樹、渡辺雄介
出演:唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子

 先週末は堤幸彦監督の『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』を観てきました! 本当は9月の初めに休みをとって母、姉、わたしの3人で観にいく予定にしていたのに、怒涛の忙しさで休暇が流れちゃって、わたしだけ観にいけなかったんですよね~(涙)。で、今ごろになって観てきたわけですが、公開から1ヶ月以上経ってるわりに観客の入りはほどほどって感じでちょっと驚きました。もっとガラガラかと思ってた! (←失礼なヤツ)

 わたしは浦沢直樹さんの原作はコミックスでずっと追いかけて読んでたので、この映画を観てまず浮かんだのは、「よくこれだけヴィジュアルにこだわったキャスティングをしたな~っ」という感嘆でした。子どもから大人まで、できるだけ原作コミックスのイメージに合った役者さんを起用しているうえ、髪型やメイクまでも工夫してるんだから、“コミックスからそのまま抜け出してきたような”という表現が一番ピッタリくる布陣だったと思います。もちろん見た目だけじゃなく演技にも定評のある人がそろってましたし、その点も安心して観ることができました。

 原作と同様、時間軸がケンヂたちの少年時代から青年時代に行きつ戻りつする展開でしたが、ほどよくエピソードが整理されていて観ていて混乱することもなく、うまくまとめていたとも思います。これは原作を読んでストーリーの流れをあらかじめ把握している人間だからこその感想なのかしら、とも考えましたが、原作をまだ5巻くらいまでしか読んでない状態で映画を観た姉も、流れがわかりにくかったとは云ってなかったので、予備知識がまったくない状態でも置いてけぼりにされることはないんじゃないかと思われます。

 ただ全体の感想としてはわたしはちょっと辛口になってしまうかも…。せっかく再現されたケンヂたちの少年時代、昭和40年代の風景も時代が前後する展開のために、出てきたと思ったらまた消えて、じっくりノスタルジーに浸る間も与えられなかったし、なによりこの映画は三部作なだけあって、この第1章では50年に及ぶ物語のほんのさわりしか描かれておらず、小さなヤマ場はいくつもあるものの、全体的に盛り上がりきらないまま終わっちゃった気がするからです。これは大きな物語の導入部である以上、しょうがないことと云えばそれまでなんですけどね~。

 あと、登場人物たちもザクッと紹介するだけで、個々人に思い入れをもてるような深みを与えきれてなかった気がする…。もちろんそれぞれのエピソードは原作にあるものでしたが、与えるインパクトが違ってしまってた。コミックスで読んでいるとひとつひとつのエピソードをかみしめて味わう時間があるじゃないですか。同じ場面を何度でも好きなだけ繰り返し観ることができる。でも映画では、ひとつのエピソードを頭のなかで反芻してる暇なんてどこにもなくて、キャラクターに肉付けするよりもどんどん進んでいく話を追いかけるのに気をとられてしまいました。展開がスピーディなためにそれぞれの出来事の重みがなくなってしまったように感じてしまったのです。

 それと、あまりにも原作に忠実なヴィジュアルを作りあげてしまったため、製作者側がそれだけで満足してしまってたような気がしたんですよね~。「原作コミックスをカンペキに映像化!」と云われれば確かにそのとおりです。でもそれ以上のものは、少なくともこの第1章に関してはなかったかな、と思いました。

 と、文句は云いつつも、第2章以降が公開されたら気になって観にいっちゃうとは思うんですけどね(笑)。第2章以降になると、「わぁすごい、原作そっくり~!」というインパクトはさすがに薄れてくると思うので、映画ならではのおもしろさをぜひとも期待したいところです。

●映画『20世紀少年』の公式サイトはコチラ

●原作コミックス

20世紀少年/本格科学冒険漫画
 浦沢直樹 (ビッグコミックス)
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by nao_tya | 2008-10-08 23:33 | 映画感想etc.