映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『ダージリン急行』

〔ストーリー〕
 父親の死を契機に疎遠になっていた長男フランシス、次男ピーター、三男ジャックのホイットマン3兄弟は、フランシスの招集でインドの鉄道旅行に出かけることに。「これは魂の旅だ!」と宣言し、事細かに兄弟を管理しようとするフランシス、あくまでマイペースなピーター、元カノの留守番電話の伝言チェックに余念がないジャックと、どこまでいってもチグハグな3人は、実はそれぞれに悩みを抱えていた。彼らの珍道中は果たして…。


原題:THE DARJEELING LIMITED
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン
出演:オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン

 事務所でU地さんに「この映画って好きなんちゃう?」と教えてもらって公式サイトをのぞいてみたら、なるほどまさにわたしのツボをくすぐりそうな映画! U地さん、さすがにわたしの好みがわかってるぅ(笑)。すでに公開されていたので、さっそく観にいってきました。映画のタイトルは『ダージリン急行』。監督は『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』や『ライフ・アクアティック』のウェス・アンダーソンです。

 “仲の悪い三兄弟が旅をとおして絆を取りもどす映画”だと聞いて、さほど考えなくてもわたしの頭のなかには『サン・ジャックへの道』が浮かんできました。このふたつ、コンセプトとしてはとてもよく似た映画だと思います。で、実際に観てみたら、この『ダージリン急行』のほうがかなりヘン度が高かった(笑)。でもそのヘンさは全然イヤな感じじゃなくて、ゆる~いオフビートな笑いがなぜだかとっても心地よい、不思議な印象を心に残す映画でありました。

 異常に仕切りたがりの長男も、長男には三男の、三男には長男の内緒ゴトを吹き込むちょいと自分勝手な次男も、“自分の家族を題材にした”というより、それまんまやん! な小説をぺろっ書いて公表しちゃうような三男も、み~んな変人だけどどこかに傷をもつ愛すべきキャラクターなんです。彼らの過去はほとんど描写されないため、どうして彼らがそんな性格になったのか、結局なにが一番の原因で疎遠になってしまったのかなど、説明されない部分がたくさんあるのがちょっともどかしい気もするけど、まぁそこは勝手に想像してみてよ、というゆるさがあります(笑)。

 彼らの意識が変わるきっかけとなる、インド人の少年の葬儀のシーンはとても厳かで静かな気持ちにさせられる場面でした。でもそういったシーンでさえも、三兄弟が着ている服がパジャマだったりして (←クルタに一番よく似ていた手持ちの服がコレだったんだと思われる…)、後で思い返すとやっぱりなんだか奇妙で、知らず思い出し笑いをしてしまうユーモアと温かみが感じられるのが好き。

 ハチャメチャで、まったくフランシスの立てた計画のとおりには進まなかった旅だけれど、“兄弟の絆を取り戻す”という最大の目標を達成して、ほんの少しだけれど心の荷物を軽くした兄弟の姿は、観ていてほっこりした気分にさせられます! 三兄弟の人間性に変化があったんじゃなく、相変わらず彼らはヘンだしイヤな部分も持っている。けれど、そんな相手の存在をあるがまま受け入れる余裕が、互いのなかに生まれたんだな~って思えました。ラストの車窓から見えるひたすら前へと進む列車の様子は、彼らの今の気持ちを表していたんでしょうか。

 あと、ルイ・ヴィトンのデザイナー、マーク・ジェイコブスがデザインしたスーツケースたち (オレンジの地にアフリカの動物たちが散っている) や、列車のなかで振る舞われるお茶のティセットががめちゃくちゃかわい~! とか、ナタリー・ポートマンやビル・マーレイがさりげなく登場したりとか、映画のストーリー以外にビックリのお楽しみがあったのもうれしかったです~。まさにわたしのツボを直撃! な映画でありました。

●映画『ダージリン急行』の公式サイトはコチラ
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by nao_tya | 2008-03-21 23:09 | 映画感想etc.