映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

〔ストーリー〕
 わたしたちの住む世界と酷似していながら、違う点が多くあるパラレルワールドの英国オックスフォード。そこは人間の心が実態をともなった動物“ダイモン”として人間と行動を共にする世界である。幼いころに両親を亡くしたライラは、ダイモンであるパンタライモンとオックスフォード大学のジョーダン学寮に暮らしていた。ある日、彼女の叔父であるアスリエル卿がダストと呼ばれる粒子の謎を解明しようと北極への探検旅行に出発するのだが…。


原題:THE GOLDEN COMPASS
監督:クリス・ワイツ
原作:フィリップ・プルマン
脚本:クリス・ワイツ
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ

 クリス・ワイツ監督の『ライラの冒険 黄金の羅針盤』を観にいってきました。フィリップ・プルマンの原作を読んだのはもう数年前になるんですが、この原作がすごくおもしろくて好きだったので、どんな風に映画化されたのかな~と、期待もいっぱい、反対に不安も同じくらいいっぱいの状態で劇場へ。観たのが字幕スーパー版だったせいか、お子さん連れの観客はゼロ。全部で10数人というちょっと淋しい状態でございました。

 最初に原作を読んだとき、主人公のライラが“いたずら”とか“おてんば”とかいう言葉では生ぬるいような、こういったファンタジー系児童文学のヒロインにしてはかな~り憎そい悪ガキ(笑)だったもんで、そのリトル・ギャングぶりが驚きだったり新鮮だったりしました。映像化するに際してライラ役の子役が、ただかわいいだけの女の子だったりしたらイヤだなぁと思っていましたが、ダコタ・ブルー・リチャーズはライラの小生意気なところ、友情に厚く無鉄砲なくらい勇敢なところ、それぞれをよく出してたと思います。

 そのほかのキャラクターも、わたしが原作から受けていた印象と大きく外れるようなキャスティングはされてなくて、むしろ超!豪華な出演陣はため息ものでした~。ダイモンや鎧グマというCGのキャラクターもとてもなめらかな動きで画面にとけこんでいたし。すごく華のある惹きつけられる映像が全編にわたってちりばめられていて、原作を読みながら乏しい想像力で思い描いていた世界が、何十倍・何百倍もの迫力で目の前に出現した感じです。

 ただ、これだけ映像的には満足のいく出来なのに、ストーリーの運び方についてはちょっと点が辛くなってしまいました。文庫で上下巻の話を112分という尺にきれいに不足なく収めていて、重要なポイントはしっかり抑えています。でもただそれだけになっちゃってる気がするんですよね~。全体的に起伏がないというか…。劇中でライラは何度か危機に陥るんですが、そこにハラハラ・ドキドキする暇もない。「ハ」と「ラ」の間くらいで終わっちゃうのです。

 要するに、緊張感が高まりきらないうちに事態が解決しちゃって、どんどん次の展開へ進んでいってしまうんだな。スピード感があるというより、せわしないとかめまぐるしいって印象だけが強く残ってしまいました。もうちょっと緩急をつけてもよかったんじゃないかなぁ。鎧グマの決闘や最後のボルバンガーでの戦いのところは力が入ってたと思けど、戦闘シーンだけが見せ場っていうのはなんだかバランスが悪い気がします。

 観終わってみると、わたしは原作を読んでいて予備知識があるので、展開が多少平板に感じられてもすばらしい映像を堪能して楽しめる部分がたくさんありましたが、原作にノータッチの人はこの映画を観てどう感じるのかしら、ということが非常に気になりました。
 続編もぜひぜひ製作してほしいですが、続編は映像はこのまんまクオリティで、話のメリハリはもっとつけてくださることを希望しますね。とにかく続編を作るなら早く作ってくれ! なんといっても子どもの成長は早いですからね~、あっという間にダコタちゃんがライラを演じるにはちょいと大人っぽくなりすぎてしまいそうでコワイのですわ。頼むよ、製作陣(笑)。 

●映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の公式サイトはコチラ
  ここでは自分のダイモンを調べることができるんですが、
  わたしはのダイモンは“トラ”でございましたよ~。

●映画の原作本
黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険

黄金の羅針盤〈下〉 ライラの冒険
 フィリップ・プルマン (新潮社)
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by nao_tya | 2008-03-10 21:24 | 映画感想etc.