映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『キサラギ』

〔ストーリー〕
 売れないアイドル・如月ミキが焼身自殺をしてから1年。ファンサイトの管理人・家元 (小栗 旬) の呼びかけで、追悼会に集まった5人の男たち。如月ミキの思い出話で盛り上がり、彼女を偲ぶはずだったのに、5人のうちのひとりが「彼女は自殺なんてするコじゃなかった」と言い出したことから、事態は思わぬ展開を見せ始め…。


監督:佐藤祐市
原作・脚本:古沢良太
出演:小栗 旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介

 木曜日、会社帰りに佐藤祐市監督の『キサラギ』を観にいってきました~。朝日新聞の映画評でずいぶん良さげなことが書かれていたのを読んだ直後に映画館で予告を観る機会もありまして、「おもしろそうやん!」と思ってたんですよね。しかし映画サービスデイでもなんでもない平日夕方の回だったため、劇場の入りは非常に少なかったです。10人いないくらい。おかげで1列独占状態で観ちゃいましたよ(笑)。

 自殺したアイドル・如月ミキのファン5名が一周忌の追悼のために集まり、会場となった一室で繰り広げる会話劇。ひとつの室内のみでストーリーが進んでいくワンシチュエーションものです。舞台劇とかでよくありそうな設定だと思っていたら、もともと「48BLUES」という劇団のために書かれたシナリオを映画向けに改稿したんだそうで。なるほど~。

 舞台が制限されてしまって場面転換のない密室劇ではとにかく会話が命。どれだけ観てる側を飽きさせず、高いテンションを保ってテンポよく会話のキャッチボールを続けていくかってことが重要だと思いますが、脚本も演じる役者さんたちもすごく良くて、とにかくおーもしろかった~!! 家元、スネーク、オダ・ユージ、安男、イチゴ娘というアイドルオタク5人のキャラクターがしっかりたっていて絶妙の組み合わせ。彼らの言動に笑いのツボが刺激されっぱなしで、本当に気持ちよく笑わせてもらいました。今のところ、今年に入って観た映画のコメディ部門、堂々の第1位ですわ。コメディが好きな人ならぜひ! 観ていただきたい1本です。

 そして如月ミキの死の真相が彼らの会話のなかから浮かびあがってくる、ミステリの部分もかなり凝ってますね。実はこのミステリの部分って多分この映画の最重要ポイントではないと思うんだけど、それでもすごい高品質。オチどころの予測がなかなかつかなかったです。会話のなかで結論が出る前にこちらで見当がつくところもたくさんあるんだけど、ひとつ謎がとけてもまた新たな事実が明るみに出てくるって感じ。一筋縄ではいかないまさに怒涛の展開で、最後まで一気呵成にみせてくれます。

 意外な事実が判明するとともに、ネットで知り合っただけで不明だった互いの素性というのも判明していくんですが、そのなかでひとり取り残された感じになってしまう家元さんが、最後に一番ステキな贈り物を受け取るっていうのも心温まる流れでほっこりさせられました! 「如月ミキのことなら誰よりもくわしい!」と豪語するも、思わぬ展開に激しく落ち込みイジけ、そして復活する家元さんを演じた小栗くん、かなり良かったです。実は演技派だったのね (←今まで出演作をあまり観てなくて、こんなにちゃんと演技する俳優さんだと思ってなかった)。

 あと、ベールに包まれたような存在だった如月ミキが、最後の最後で登場するんだけど、それがまたけっこうとんでもないアイドルで(笑)。「ああ、こりゃあD級といわれてもしょうがないわ…」と、思わず苦笑がもれてしまうところがこの『キサラギ』という映画にはベストマッチ。ノリノリでミキちゃんの持ち歌「ラブレターはそのままで」に合わせて踊り、合いの手を入れる5人の姿に最後まで爆笑~♪

 だがしかし、ラストのラストは本当に必要だったのかな~、と思わないでもないですね。せっかくすっきりと心温まる終わりだったのに、最後に色気を出してそれを帳消しにすることもなかったと思うんですけど。まぁそこらへんは好みによるのかもしれませんが。なんにしろ、これからご覧になるかたはミキちゃんのお歌が始まっても、そのすさまじいオンチぶりに耐えて(笑)、席を立たないようになさってくださいませ~。 

●映画『キサラギ』の公式サイト
『キサラギ』の公式サイトへ
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by nao_tya | 2007-06-21 22:30 | 映画感想etc.