映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『デジャヴ』

〔ストーリー〕
 ニューオリンズでミシシッピ川を運行するカーフェリーが爆発し、500名以上の犠牲者を出す大惨事となった。
 ATF (アルコール・タバコ・火器局) の捜査官ダグ・カーリン (デンゼル・ワシントン) は、現場近くの水辺で発見された、このテロの犠牲者に見せかけて殺害された若い女性の検死に立ち会った。
 彼女がこの事件の鍵を握っていると考えたダグは捜査を進めていくのだが…。


原題:DEJA VU
監督:トニー・スコット
脚本:ビル・マーシリィ、テリー・ロッシオ
出演:デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン、ヴァル・キルマー

 『ホリデイ』を観終わったあと、30分ほどの休憩をはさんで2本目鑑賞に突入しました。
 ほんわか楽しいラブコメのあとは、テイストを変えてサスペンスもの。トニー・スコット監督の『デジャヴ』でございます~。

 予告を観たくらいで前情報をなにも入れずに観たので、単なるサスペンスじゃなくタイムスリップ (タイムトラベル?) を絡めた展開にビックリ。これは意外性があって良かったですな。映画冒頭のフェリー大爆発、過去と現在の映像がダブったまま疾走するカーチェイスのシーンなど、とにかく派手で迫力満点な見せ場が盛りだくさん。観ていて退屈になることのない130分少々でありました。

 こういうタイムスリップを扱ったストーリーでは、多少の矛盾や齟齬が生じるのはもうしょうがないと思いますし、少なくとも観てる間は「え、それってどう考えてもおかしくない!?」とツッコミを入れるようなところも (わたしにとっては) なく、素直に話に入っていけて最後までハラハラしてました。色々とフに落ちない部分が、最後になるとカチカチカチッとはまっていくのも気持ちよかった~。

 当人のあずかり知らぬところでその人に関わる映像をみて事件を解決する、というのは、コミックスですが清水玲子さんの『秘密』シリーズとちょっと似てるかな、とも思いました。『秘密』では亡くなった人間の視点からの映像に固定されるのに比べ、この『デジャヴ』では視点は思うままになるところや、同じ場面を繰り返し観ることができるかどうかなど、いろいろ条件は違いますけど、捜査のために人のプライヴァシーを覗きみるという点や、その映像には残酷な場面もあれば、観てる側が思わず見とれてしまうような美しい場面、心あたたまるシーンがあるところとかは共通だと思うのです。

 『秘密』も『デジャヴ』も、映像のなかで息づいている人間が、実はすでに亡くなっているというパターンなので、目の前の映像が魅力的であればあるほど、それが失われてしまったんだということが実感される。観れば観るほど切なくなって、相手に対する思い入れができちゃう気がします。

 ダグ役のデンゼル・ワシントンはどんな役でも安定していて安心して観てることができる俳優さんで、今回もその評価は変わらず。
 相手役のクレアを演じたポーラ・パットンは『最後の恋のはじめ方』で観てるはずなのに覚えがないという女優さんでしたが、角度によってはちょっとハル・ベリーに似てる美人さんで、好みのタイプ(笑)。ちょっと低めの落ち着いた声もステキです。
 最初に物言わぬ遺体の彼女と出会い、4日と6時間前の映像のなかで生き生きと動き話す彼女を観て、ダグが知らぬうちに惹かれていくのも納得できる魅力がありました。

 主役のデンゼル・ワシントン以外に、FBI捜査官ブライズワーラにヴァル・キルマー、犯人役にジム・カヴィーゼルと、思わず「あら、こんな人が!」という役者さんが出ていたのもうれしい。
 ただ最近のヴァル・キルマーは昔の面影が感じられないくらいぽっちゃりしちゃって、観るたびに物悲しくなるんですけどね…。『ウィロー』のマッドマーティガンが懐かしゅうございます。
 ジム・カヴィーゼルは歪んだ愛国心に燃えるアブナイ男ってのがけっこうハマってましたねぇ。ハンサムなんだけど狂気の目が怖い。あからさまに怪しい雰囲気を漂わせてて、犯人探しが主眼のミステリならミスキャストなんでしょうが、この映画の展開ならぴったりって感じ。

 タイトルの『デジャヴ』は、初めて体験することなのになぜか覚えがある、という意味ですが、登場人物たちがデジャヴを感じている様子が観られず、なんでこのタイトルなんだ? と観ながら思っていましたが、映画がラストまできて、これからきっとダグがこの感覚を感じるんだろうな~ということで納得。

 しかし、この映画で使われた技術、「グーグル・アース」なんてものがあるこのご時勢だから、タイムマシン化するかどうかは別として、近々実現しても不思議がない気がしてちょっと不気味なものを感じますな。
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by nao_tya | 2007-04-01 23:11 | 映画感想etc.