映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『ディパーテッド』

〔ストーリー〕
 犯罪者が多い一族に生まれ、そんな環境から抜け出すため警官を志したビリー・コスティガン (レオナルド・ディカプリオ) は潜入捜査官としてコステロ (ジャック・ニコルソン) が率いるアイリッシュ・マフィアに入り込むことに。一方、幼いころからコステロに目をかけられ育ったコリン・サリバン (マット・デイモン) は内通者として警察官になった。やがてそれぞれの組織でネズミ (スパイ) の存在がかぎつけられ、ネズミ狩りが始まるのだが…


監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ウィリアム・モナハン
オリジナル脚本:アラン・マック、フェリックス・チョン
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン

 土曜出勤を終えて、せっかくだから映画を観て帰りました。『リトル・ミス・サンシャイン』と散々迷ったんですが、来週末には上映が終了してしまうマーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』にしました。香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクですね~。

 ちなみにわたくし、『インファナル・アフェア』は三部作のうち1作目しか観てない人間ですが、見る前に予想していたよりずっとおもしろく観ることができました。オリジナルを超えるインパクトはさすがになかったですけど、香港の黒社会の話をアメリカ・ボストンのアイルランド人の犯罪組織の話に置き換えた翻案モノとしてはよくできてたんじゃないかしらん。

 ただ、オリジナルは互いの組織に潜入してから10年もの歳月が流れているわけで、周囲の人間を誰も信用せずにウソをつき続け、疲弊し、結局自分のアイデンティティさえも見失いそうになっている男たちの恐怖というものが伝わってきました。
 ところが『ディパーテッド』では潜入している期間を数年間に短縮してしまった。そのせいでオリジナルの主演2人 (トニー・レオン、アンディ・ラウ) に比べ、『ディパーテッド』の主演2人 (レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン) がずいぶんと若いことに齟齬がなくなったものの、潜入捜査官・潜入マフィア (?) という苦悩の面ではちょっと底が浅くなってしまった気はします。

 わりと原作と同じタイプのキャラクターだった潜入捜査官・ビリーに比べ、潜入マフィアのコリンは善人になりたい欲求もなく上昇志向のみの、卑怯というかある種の卑しさを感じさせるキャラクターに変わっていて、あくまで憎まれ役になっていたのが印象的でした。オリジナル1作目を観たあとは、生き残ったラウの今後に思いをはせたりもしましたが、『ディパーテッド』ではコリンの行く末を案ずる暇もなく、あっけなく殺されちゃったしな~!

 なんというか余韻を楽しむタイプの映画ではなく、サスペンスとしてのおもしろさを追求した筋立てになっいて、悪人が生き残ることを許さないあたり、いかにもハリウッド映画らしいです (オリジナルのラストでラウがどうなるのかは知らないので、的外れだったらスンマセン)。

 ちょっと薄味になってしまった主演2人と比べて、アイリッシュ・マフィアのボス、コステロを演じたジャック・ニコルソンはブッ飛んだ悪役ぶりで、いやぁ濃ゆいこと、濃ゆいこと! 乱れた髪とイっちゃった目がこわい~。やり過ぎな気もしますがとにかく“怪演”というのにふさわしい演技でありました。
 現実にこんな人がすぐそばにいたら、いきなりなにをしでかすか予測がつかなくて心臓に悪いことこのうえないですな(笑)。潜入捜査をしているビリーはもちろん、コリンまでがコステロと一緒にいるときには常に神経をとがらせているのは、どんな芝居をしてくるかわからないジャック・ニコルソンを警戒してるからのような気さえしましたよ。

 スコセッシ監督は本当はこの映画より優先したい企画があったそうで、過剰な思い入れなしに監督したのがかえって良かったんじゃないかとも思います。オリジナルを大きく崩さず冷静に編集した結果、娯楽作としては十分おもしろい映画になってました。ただ、この映画でアカデミー賞の作品賞、監督賞受賞っていうのはどうなんだろう??

 そこそこの満足感とともに映画館を出てまず考えたことは、『インファナル・アフェア』は映画館で1回観たきりなので、続編も含めて今度3部作を一気に観たいな~ってことでした(笑)。今なら3部作スペシャルパックってのもあるしな。Amazonあたりでポチッてしまいそうな自分がコワイです。ビンボーなのにぃ(笑)。

●映画『ディパーテッド』の公式サイトはコチラ
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by nao_tya | 2007-03-11 23:28 | 映画感想etc.