映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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読書感想:P.G.ウッドハウス 『サンキュー、ジーヴス』

 ピカイチの紳士お側つき紳士であるジーヴスと、彼が仕えるご主人さま・バーティーのシリーズも順調に刊行され、この『サンキュー、ジーヴス』 (P.G.ウッドハウス/ 国書刊行会) は6作めであります。いや~、相変わらずこのシリーズ、おもしろいわぁ♪

 今回、帯にでっかく「ジーヴス、辞表提出!!」なんて出ていて、いったい何事?? と思っていたんですが、要はいつものごとくバーティーの趣味とジーヴスの趣味が合致せず、とうとうジーヴスがバーティーの雇用下から離れることになったのでした。
 で、問題のバーティーが熱中している趣味ってのが、バンジョレレというバンジョーとウクレレのあいのこといわれる楽器の演奏。いったいどんな音が出る楽器なのやら想像もつかないんですけど、相当ジーヴス (およびマンションの隣人たち) の神経にさわるものだったみたいですよ~。一度聞いてみたいものです(笑)。

 思う存分このバンジョレレを演奏するため、バーティーは親友チャッフィーの領地チャフネル・レジスにあるコテージを借りうけることにし、ロンドンを離れます。
 そしてこのチャフネル・レジスにチャッフィー、アメリカの大富豪ストーカー、彼の娘でバーティーの元婚約者ポーリーン (いったいバーティーは何回婚約・婚約破棄をしているんだ!?/笑)、バーティーのいわば天敵サー・グロソップ、それにチャッフィーに雇われたジーヴスが集結し、相変わらずのドタバタ劇が展開されるのでありました。

 バーティーとの雇用関係を解消したのに、今回もジーヴスはバーティーのために色々と動いてくれてます (自分のベッドをバーティーに明け渡すことはキッパリ・ハッキリ拒絶するけど/笑)。うがった見方かもしれないけど、ジーヴスがチャッフィーに雇われたのも、バーティーがチャフネル・レジスのコテージに行くことを知って、彼の近くでバンジョレレの演奏をあきらめさせたうえで再雇用の機会を作ることが狙いだったのかも?

 だってジーヴスって実のところけっこうバーティーのことをかってるんだもん。バーティーのことを評して曰く、「金のハートの持ち主であらせられます」なんて言葉まで飛び出すくらいなんだから! 「ウースター様は、おそらく精神的には取るに足らないお方でございましょうが」って前置きがついてるけどさ(笑)。
 まぁジーヴスの場合、周囲の人間のほとんどは自分と比べたら知能的に取るに足りない人間に思えてるだろうし、そのなかでバーティーの人間性には見るべきところがあるってことですよ。

 そしてバーティーが金のハートの持ち主であるということは、物語の終盤できっちり証明されてます。人の甘い言葉にうま~く乗せられてるだけのような気もするけど、みんなの幸福のために自分の見栄とかプライドとかを犠牲にできる精神は、やっぱり見上げたものだと思うのでありました。
 そんなバーティーにジーヴスが、いつものごとくなんとも持って回った云い方でもう一度バーティーの許で働きたいと申し出て、それに感激したバーティーがようやく返す了承のひと言というやりとりは、ほのぼのとした良い場面でありました。正式にこのコンビが復活してくれてすごくうれしかったし安心しました~!

 しかし、毎回色々とんでもないキャラクターが登場するシリーズですが、バーティーがジーヴスの後釜にすえたブリンクレイはそのなかでも群をぬいてると思うなぁ(笑)。あそこまで酒癖の悪いやつってどーなんだ!? ブリンクレイのその後がちょっぴり気になるわたしです。まさかバーティーの友人の誰かに雇われて再登場、なんてことはあるまいな…。いや、出てきたらそれはそれでおもしろそうではあるんだけど。

 7作めの『ジーヴスと朝のよろこび』は5月に刊行の予定。楽しみに待ちたいと思いまーす!
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by nao_tya | 2007-02-03 23:48 | 読書感想etc.