映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『スーパーマン リターンズ』

〔ストーリー〕
 故郷であるクリプトン星を探し、宇宙を巡っていたスーパーマン=クラーク・ケント (ブランドン・ラウス) が5年ぶりに地球へ戻ってきた。彼が姿を消している間に恋人のロイス・レイン (ケイト・ボスワース) は別の男性と婚約し、息子までが誕生。そのうえ宿敵のレックス・ルーサー (ケヴィン・スペイシー) は釈放され、新たな陰謀を企んでいたのであった…。


監督:ブライアン・シンガー
ストーリー設定:ブライアン・シンガー、マイケル・ドアティー、ダン・ハリス
脚本:マイケル・ドアティー、ダン・ハリス
出演:ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー

 月曜日はブライアン・シンガー監督スーパーマン リターンズを観てまいりました! 平日、しかも月曜日の昼間だったせいもあるでしょうが、観客がとにかく少なかった…。わたしを含めて10人少々だったかな。大きめのスクリーンの劇場だったからこれはかなり淋しかったです。おかしな場面になっても周りでウケている様子が伝わってこないので、なんだか声を出して笑ってはいけないような気分になっちゃうんだよね~。人が多すぎて上映中に私語をしたり携帯電話をチェックしたり(!)してるのがわかっちゃうよか全然いいんですけども。
 さてさて、映画の感想はと云いますと、わたしはかなりこの映画、好きです。おもしろかった。クリストファー・リーブ主演の『スーパーマン』シリーズの第2作目ラストから5年経ったところ、という設定なので (あまり評判のよろしくなかった3、4作はあっさり無視ってのがスゴイよな/笑)、前作2本をうすぼんやりとしか覚えていないわたしでも、前作たちとリンクしている部分があちこちにあるのがわかって嬉しい。旧作を繰り返し観ている人たちはもっと楽しいと思います。
 実際に前作が作られたのは20年以上も前ですが、この『スーパーマン リターンズ』の舞台は現代に変わってます。でも不思議なくらいスムースに20年後の世界にスライドしてて、観ていて20年という時間をジャンプしているという違和感を覚えませんでした。登場人物たちは携帯電話やパソコンを普通に使ってるし、デイリー・プラネット社の編集部の柱にはプラズマTVがかけられていて現代的なのに、映画全体の雰囲気がどこかゆったりしていてクラシカルだからかな~。この20年前と現代の世界の融合具合はお見事でした。
 映像面も、今の技術でスーパーマンが自在に空を駆けていく様やクリスタルの力が発揮されるところはすごい迫力! ロイスとの夜空のデートシーンは美しくロマンチックだったし大満足です。スーパーマンがその本領を発揮して戦うスピーディで力強い部分と、ふんわりと柔らかくロイスやキティを抱えて飛ぶシーンの飛び方の違いがくっきり出て、スーパーマンの紳士的な面がより強調された感じ。
 スーパーマンというかスーパーヒーローの格好って、冷静に考えたらお笑い一歩手前のところがありますよね。ピチピチのタイツ姿とかたなびくマントとか。でも、それをヘンとは感じせさず、マッチョなヒーローの活躍に「おぉ、すご~い!」とか「カッコイイ!」と素直に心躍らせられるパワーや勢いがこの映画にはあると思う。特に最初の飛行機の墜落を食い止めるシーンは前のめりになって観ちゃいました。劇中で球場にいた人たちと同じように、スーパーマンの復活に心からの喝采を送りたくなります!
 あと、スパイダーマンやバットマンの葛藤とまではいかなくとも、スーパーマンが悩めるヒーローになっているところはやっぱり現代的ですよね。元恋人ロイスとの関係はあやふやだし、スーパーヒーローが今の世界に必要なのかという疑問を、自分の一番の理解者だと思っていた当のロイスから投げかけられることになってしまうんだから。
 「自分はもう必要とされず、誰からも理解されないのではないか」というスーパーマン=クラーク・ケントの孤独感が、ロイスの家を寂しげに眺めている様子などからヒシヒシ伝わってきて切ないったら (見方を変えたらスーパーマンがストーカーみたいなんだけど/笑)。だからこそ、彼の容態を案じた人々が病院前に集まってくるシーンは感動的でございました。   
 ブランドン・ラウスはこういう憂いを含んだ表情がとっても素敵。そんなブランドン演じるスーパーマンがレックス・ルーサーご一行に痛めつけられるシーンは、痛々しくて心のなかで「や~め~て~っ」の叫びで一杯になってしまいましたことよ。それはもう執拗なまでにボコボコにされてて、ブライアン・シンガー監督の愛が感じられましたわ (←え!?)。
 ケヴィン・スペイシーは凶悪で憎々しい、でもどこかユーモラスな敵役レックス・ルーサーを楽しんで演じてたって感じです。ヴァラエティ豊かなズラの数々をもっと披露してほしかったかも~(笑)。
 そうそう、ロイスの婚約者リチャード役のジェームス・マースデンって『X-MEN』シリーズのサイクロプスだったんですね! いつもバイザーで顔半分が覆われてたんで、今回初めてちゃんとお顔を認識しましたよ。な、なんかバイザーで目が隠れてるほうがカッコイイ…、あいや若く見えますねっ。
 出番は少ないけど印象的だったのはクラーク・ケントの養母、マーサ・ケント役のエヴァ・マリー・セイント。『アメリカ,家族のいる風景』に引き続き、家を出た息子を待ちつづけ、帰ってきた彼を何も云わずに暖かく受け容れる母親です。慈愛に満ちた表情がなんとも云えません。ハマリ役!
 「父は子のなかに、子は父のなかに」というあたりはちょっとキリスト教の三位一体説を思わせて意味深ですが、ストーリーそのものは単純明快。ツッコミを入れ始めるとアメコミ映画の場合はキリがないし、お約束事 (スーパーマンとクラーク・ケントが同一人物だってことに誰も気付かんのを不自然に思ってはならぬ、とか/笑) は素直に呑みこんでこの世界に入っちゃえば、楽しんで観ることのできる映画でした。でも、前2作の正当な続編という位置づけなので、ある程度の前知識があったほうがいいだろうとは思います。

●映画『スーパーマン リターンズ』公式サイト

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by nao_tya | 2006-09-05 23:56 | 映画感想etc.