映画感想:『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
2006年 07月 17日
キャプテン・ジャック・スパロウ (ジョニー・デップ) がブラックパール号をバルボッサから奪還して3年の月日が経ち、ウィル・ターナー (オーランド・ブルーム) とエリザベス (キーラ・ナイトレイ) はいよいよ結婚することになった。しかし式の当日、ふたりは東インド貿易会社のベケット卿にジャックの逃亡を助けた罪で逮捕されてしまう。ジャックの持つ「壊れたコンパス」と引き換えにふたりの釈放とジャックの民間武装船船長の任命を約束されたウィルは、噂を頼りにジャックの行方を追うのだが…。
原題:PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ
日曜日は『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の先行上映に行ってまいりました。最近、大作映画は先先行上映、先行上映が多いですね~。これって公開週の観客動員数の数字を増やすためなの?? まぁアメリカでの公開とタイムラグがほとんどなく観られるっていうのはありがたいんですけど。
で、映画の感想です。うん、結構おもしろかったです。ただ、思っていたよりもずっと前作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』の“続き”のお話でしたございましたね。前作をしっかり観ておかないと、笑いどころの半分くらいが意味不明で、おもしろさが伝わらないんじゃないでしょうか。
そして、思っていたよりもずっとずっと来年5月公開予定の次作『PIRATES OF THE CARIBBEAN:AT WORLD'S END』の序章的な部分が多かった。要するに「デッドマンズ・チェスト」だけでは事件がほとんどなにひとつ解決しとらんのじゃ~っ!
もうこれは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界、ジョニデ扮するキャプテン・ジャックをはじめとするキャラクターたちのファンが、もう一度その世界に浸るための映画と云ってもいいです。無論わたしはこのディズニーランドのアトラクションから発展したゆるーい世界が好きなので、文句はありませんが。むしそさっき云ったように楽しめました。
ジャックは相変わらず酔っ払ったようにゆらゆらしてて掴みどころがなく、テキトーなことを云ってはウィルを騙すちゃっかり者で、追い詰められてもどこかコミカル。そして美人に弱い(笑)。今回、ウィルにも多少ダークな部分が出てくるというような事前情報がありましたが、わたしが観た限りではそういうイメージはなかったですね。やっぱり彼はちょっと間が抜けてる好青年でした。強いて挙げるならジャックをおいて出航しようとするところがダーク? でもこれくらいは十分許容範囲に入っちゃうような…。うーん、父親“靴ひものビル”解放のために「AT WORLD'S END」でダークな部分が出てくるのでしょうか。そしてエリザベスが最強のヒロインであることにも変わりはなく安心しました(笑)。それどころか男装にソードアクションと彼女のオトコマエぶりに拍車がかかり、カッコイイのなんのって! ジャックとウィルの間で微妙に揺れてる乙女心も垣間見えたし、次なる展開が気になるところです。
しかし今回はデイヴィ・ジョーンズ (ビル・ナイ) をはじめとするフライング・ダッチマン号の皆さまのヴィジュアルがかなり気色ワルイですな! 前作の不死身の海賊たちは月に照らされるまでは普通の人間だったけど、彼らは徹頭徹尾海の生物と半ば同化しちゃってる姿で、ヌルヌル・ニチョニチョ・ビチョビチョといった擬音語がピッタリ。ほっぺにフジツボが張り付いてても、まだステラン・スカルスゲールドだってわかるビルはいいほうで、ビル・ナイなんてタコ足の髭の特殊メイクで見た目からは誰が演じてるのかさっぱりわからないぞ~。ビル・ナイの海賊姿、ちょっと期待してたのに…。次作でまともなお顔は観られるのかしら?? デイヴィ・ジョーンズの恋した「海のような女」ってのも気になりますね。
そうそう、前作ではあのお貴族さまの印であるカツラのせいで見落としてましたが、ノリントン元提督 (ジャック・ダヴェンポート) がえらくハンサムでびっくりしましたです。ジャック、ウィルと3人で剣を交えるシーンなど見せ場もあって、露出度がぐーんと上がってます。名誉回復をしたい気持ちも強ければエリザベスにも未練あり、ということで次作でもキーパーソンになるのかも!?
最後に「えぇ~っ、死んだんじゃなかったんかいな!?」と驚愕する人物も出てきて、「AT WORLD'S END」への引きはたっぷりですしね! そうそう、エンディングロールを最後まで観ると、前作同様ちょっとしたお楽しみがあります。けっこうこの場面になるまでに席を立つ人が多かったんですが、お時間のある人は最後までがんばってみてください。
と、まぁわたしは楽しく2時間半を過ごせましたが、この映画を単品として考えたら、展開はのんびりしてるし、登場人物たちが冒険活劇らしく胸のすくような活躍を見せてくれるわけでもないし、結末は尻切れトンボだしで、不満というか不完全燃焼な気分が残ってしまう内容かもしれません。前作は観てないけどなんか話題になってるから観てみようかな~という方は、いきなり映画館に向かったりせず、まずは「呪われた海賊たち」を観て、その世界観やキャラクターが気に入るかどうかを試してみることをお勧めします。
●映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズチェスト』公式サイト
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち コレクターズ・エディション (パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト プレビュー・ディスク付)
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