映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『サイレントヒル』

〔ストーリー〕
 ローズ (ラダ・ミッチェル) とクリストファー (ショーン・ビーン) は赤ん坊のころに養女にした9歳の娘シャロン (ジョデル・フェルランド) の夢遊病に悩んでいた。シャロンがうなされるように口に上らせる“サイレントヒル”について調べたローズは、それが実在する地名であることを知った。反対するクリストファーに黙ってローズはシャロンを連れてサイレントヒルへと向かうのだが…。


原題:SILENT HILL
監督:クリストフ・ガンズ
脚本:ロジャー・エイヴァリー
出演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン

 クリストフ・ガンズ監督『サイレントヒル』が公開されたので観てまいりました。こわがりなので、基本的にホラーは大画面&大音響の映画館には観にいかないんですが、この映画にはショーン・ビーンが出演してますのでがんばりました!
 せっかく映画を観るならネタバレは避けたい。でもできる限り恐怖感はやわらげたい。ということで、少しでも免疫をつけようと事前に何度も予告を観るという涙ぐましい(笑)努力をして映画館へお出かけ。
 や~、おかげさまで怖いことは怖かったですが、映画の中途でギブアップすることもなく、最後までちゃんと観ることができましたよ! 人間、なせばなるのであります。
 ゲームをプレイしたことがないのでゲームの世界がどこまで再現できているかとか、そこらへんはまったくわかりませんが、すべてが灰をかぶったように白っぽくかすんだ霧のサイレントヒルと、赤黒い闇に沈んだ闇黒のサイレントヒルの対比が鮮やかで、映像的にすごくよくできてると思います。音も生理的にカンにさわる金属音が効果的。
 ショッキングで残酷な映像も多いし、わたしの大ッ嫌いな虫がわさわさと大量に出てくるシーンもありましたが、突然の大音量の効果音とともにあらぬ方向からいきなりバケモノに襲われるというような驚かせ方はせず、徐々に迫ってくるクリーチャーたちが恐怖を増幅させます。だから観ながら椅子から飛び上がるというより、椅子のなかで身体を縮こまらせるような感じ。これってわりと正攻法な怖がらせ方と云えるのではないかと思います。
 映像の怖さでいくと、周囲がほとんど見えない暗闇のなかでいろんなものが蠢く前半のほうが断然強烈で、後半はいろんなことがわかってくるのと多少は慣れるのとで、そういう恐ろしさはちょっと目減りします。かわりに残酷なスプラッタ・シーンがてんこ盛りになるんですけど。
 内容もなかなかおもしろかったです。同じくゲームから映画化されたホラーの『バイオハザード』とは違って、ヒロインのローズ (ラダ・ミッチェル) がごく普通の女性なのでアクションは一切なく、ひたすら子どもを助けたいという強い母性で恐怖を振り払い、危険のなかへ突き進んでいくというのが良かった。
 わけもわからず飛び込んだ不気味な町サイレントヒルで、最初は突如出現するクリーチャーやおかしな現象に振り回される一方だったローズとシビル (ローリー・ホールデン) が、少しずつ町の秘密に触れ、隠された過去が明かされていく過程にはドキドキしました。建物を探索 → アイテム発見 → 次の建物へ、という展開はゲームと同じなのかな。アイテムの捜索には時間を割かず、サクサクと進んでいくので緊張感が途切れません。
 ローズに協力して霧のサイレント・ヒルを探索することになるシビルはタフな婦警さんで、彼女がかなりカッコイイです。最初の登場シーンの白バイ警官姿がなんだか『ターミネーター』のT-1000を連想させて、悪役みたいだったけどいい人でした(笑)。誘拐されて炭鉱に落とされた少年とのエピソードは、自分からは語らなかったことだけに彼女の優しさに裏打ちされた強さが伝わってきて泣かせます。それだけに彼女の最後には絶句しちゃいました。あんまりや~(涙)。
 シャロン、アレッサ、ダーク・アレッサと三役をこなしたジョデル・フェルランドもすごい子役ですね。無邪気にローズに甘える少女、迫害されて怯える少女、冷静に冷酷に復讐を果たす少女と、それぞれの表情の使い分けがお見事でありました。
 で、お目当てのショーンBは映画冒頭から登場! 全編にちょこちょこ顔を出してくれました。いいお父さんでいい旦那さんです。でも現実のサイレントヒルをウロウロしているだけで、一生懸命努力してるわりに事態の収拾、解決にはちっとも役に立ってないのが哀しい…。
 しかし、ラストは不法侵入までしたのに諦めて家でうたた寝してる場合か、クリス!? と首根っこを掴まえて揺さぶりたくなっちゃいましたわ。なんですか、男性がちっとも出てこないじゃないかと映画会社に文句をつけられて急慮つけ足された役だそうで、根本的なストーリーに変更を加えずに絡ませるためにはしょうがなかったのかもしれませんが、なんだか物足りない役でしたね~。ただ、彼が出てくると恐怖シーンがないってことがわかるので、わたしにとってはちょっとした息抜きにはなったんだけど(笑)。
 すべてが終わってやれやれ~と思ったら、電話に混じるノイズやいつまでも晴れない霧にむくむくといやな予感が頭をもたげ、なんとも静かで物悲しいラストシーンに至るところもわたしの好みでした。これって続編ができると考えていいのでしょうか?? ちゃんとクリスは別の次元にいるローズの気配を感じ取ってることだし、現実面からこの異世界にアプローチする方法を見つけ出してがんばるクリスってのをぜひ見せていただきたいものです。
 ホラー映画ってあまり数をこなしていないので比較する対象が少ないのですが、最後までどうなるんだろう? と惹きつけるものがあって楽しめたし、娯楽ホラーとしてはいい出来なのではないでしょうか。夏はホラー映画! という方にはぜひともこのサイレントヒルの硬質で不気味な雰囲気と世界観を味わってほしいです。ホラーが苦手じゃない人にはお勧め!

●映画『サイレントヒル』公式サイト
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by nao_tya | 2006-07-09 20:43 | 映画感想etc.