観劇:劇団四季ミュージカル『マンマ・ミーア!』
2006年 04月 24日
『マンマ・ミーア!』は大阪梅田のハービス・エント内にある「大阪四季劇場」の杮落し公演にあたり、2005年1月に公演開始。すでに1年以上もロングランを続けています。しかしながら、わたしにとってはこれがようやく初見です。
いやぁ、ロングランだと思うと、わりといつでも観にいけるって気分になってしまって、ついつい後回しにしちゃうんですよね~。でもおかげでかなり観やすい良いお席が取れました (K列の真ん中あたり)。
〔ストーリー〕
舞台はギリシャの小島。ホテルを営むドナには女手ひとつで育ててきた娘のソフィがいる。結婚式を明日に控えているソフィは、ドナの昔の日記をこっそり盗み読みし、ドナの昔の恋人、サム・ビル・ハリーの3人に結婚式の招待状を送っていた。そのうちの1人がきっとソフィの父親に違いないのだ。
顔をひと目見れば誰が自分の父親なのかはすぐにわかると考えていたソフィだが、いざ島にやってきた3人と顔を合わせて話をしても、自分の父親が誰なのかさっぱりわからない。そのうえ全員がソフィを自分の娘だと思い、結婚式のエスコートを申し出てくる事態に!
果たしてソフィの父親は誰なのか? 突然現われた昔の恋人たちに動揺を隠せないドナはどう出るのか??
感想を端的に云ってしまうと、とーっても楽しかった!! このひと言です。ABBAの曲が全部で22曲、次々に出てくるんですが、みなそれぞれの場面にピッタリはまって華やかでノリがよくて。観てるとどんどん自分のテンションが高くなっていく感じ。
ストーリーも良い意味で単純でわかりやすく、展開がスピーディ。老若男女誰が観ても、すごくリラックスして3時間ほどの上演時間を過ごせるタイプのミュージカルといえるのではないかと。
まぁその反面、ずっしりとした手ごたえがほしいような人には少々軽いというか、物足りなさを感じるかもしれないのですが。うーん、そうですね、3人の父親候補があっさりソフィの存在を受け入れるんじゃなく、そのうちの1人でいいから疑いを持つとか葛藤を感じるといった混乱があって、ソフィとの交流のなかで気持ちが変わっていく、ということがあっても良かったかも…?
しかしこの舞台はおばさまが元気! ドナと彼女の友人、ロージーとターニャの3人で、彼女たちが昔組んでいたロックバンド「ドナ&ザ・ダイナモス」が一夜限りの復活をするわけですが、とにかくパワフルではちきれんばかりの勢いがありました。ターニャ役の森以鶴美さんはスラリと背が高く、色っぽい! ペッパー (大塚道人さん) を“坊や”扱いであしらうところとか、いかにもオトナの女って感じでカッコイイ。青山弥生さんのロージーはちっちゃくてかわいくてコミカル。早水小夜子さんのドナは気が強いのにどこか脆いところがあって、母性いっぱいでした。
3人の父親候補のなかでは役得もあるだろうけど、やっぱり渡辺正さんのサムが印象に残ります。ちょっと文学青年っぽいっていうか、影のある感じがなかなかよろしかったです。ただ普通にセリフを話してるときの発声がなんかヘンというかひっかかる感じが。あと早水さんがドナだと年齢的なバランスがちょっと苦しいような~。まぁそれを云うなら松浦勇治さんのビルも若いんだけど、実はビルは陰が薄くてあまり気にならなかった(笑)。明戸信吾さんのハリーはなぜか小日向文世さんを思い出させました。デコか? デコだからなのか!?
吉沢梨絵さんのソフィはか~わゆかった!! ほそっこくて華奢なのに、とても張りのあるよく伸びる彼女の声がとても好きです。舞台が始まってすぐの、女の子仲良し3人組のシーンが演じてる本人もハイテンションに楽しそうなんですよね。で、観てるこちらもここで舞台にするる~っと入っていけちゃう。
舞台のストーリーが終わったあと、出演者総出のミニライブ(?)が3曲あるんですが、観客も総スタンディング、ノリノリで最後の最後まで楽しめるのも良かったです。ただ、音響がすごすぎて、音割れしちゃってたのが気になったかな。もう少し抑えてもいいんじゃないでしょーかね。
一緒に観にいったわたしの唯一の観劇友達・T子ちゃんも大満足で、終演後にぜひまた違うキャストで観てみたい! と云いあっておりました。うーん、ロングランはいつまで続くのでしょう。次は秋か冬くらいに観にいきたいな。
それから気になったことひとつ。プログラムは1冊1500円だったかと記憶してますが、『マンマ・ミーア!』のポスターの図柄がついた紙袋つきだとプラス500円になっちゃうのだ! いくらなんでもこりゃちょっとボリすぎじゃないかい(笑)?
●劇団四季公式サイト『マンマ・ミーア!』