ドラマ感想:エイリアス 第1シーズン
2006年 04月 08日
〔ストーリー〕
ごく普通の学生生活を送っていたシドニー・ブリストウ (ジェニファー・ガーナー) は、7年前にCIAの秘密組織だというSD-6にリクルートされ、学生生活の裏で、エージェントとして世界各地で活動するようになっていた。
恋人のダニーにプロポーズされたシドニーは、守秘義務を破って彼にSD-6について話してしまう。秘密の漏洩を察知したSD-6はダニーを殺害。また、シドニーはSD-6がCIAの秘密組織などではなく、“アライアンス”なる国際犯罪組織の一部であることを知り、組織壊滅のために本物のCIAに接触。ダブル・エージェント (二重スパイ) となるのであった。
なんだって今ごろ!? と思われるくらい世間さまから遅れて『エイリアス』を鑑賞したわけは、このドラマの製作総指揮がJ・J・エイブラムスだから! AXNで第1シーズンを放映中の『LOST』に、わたしはただ今けっこうハマってまして、『エイリアス』も彼が製作総指揮だとわかって興味が出てきていたのです。
そこへ5月からの『エイリアス』第3シーズ放送を前に、同じくAXNで第2シーズンまでを一挙放送することになり、まとめて観るのは今しかない! とチェックを開始。そしたらこれがかなりおもしろい! ウィークデイに1話ずつ放映されるんだけど、続きが気になって、帰宅して無事にHDに録画されてるかドキドキしながら確認する毎日です。
実は一度放映時間がずれていたことがあって、後半20分くらいを録画しそこねたときには本気で落ち込みましたもん。なんとか吹替版で観ることができたけど (いつもは字幕版)、あれは悔しかった…!
正直、『デアデビル』のエレクトラ役のジェニファー・ガーナーにはあまり魅力を感じなかったわたしですが、『エイリアス』を観たらなんだか彼女の良さがわかったような気がします。頭脳明晰で多国語を自在に操り、大の男を叩きのめす腕っ節を持つシドニー・ブリストウが彼女の役どころなんですが、親友にも打ち明けられない秘密を抱えていることや、ただひとりの肉親である父親との関係に悩む普通の女性の一面も描かれて、なかなかキュートなのです (ルックスは最初の印象どおり好みじゃないんだけど~)。
SD-6から与えられるミッションと、それに対抗するCIAからの任務、シドニーはこのふたつをSD-6に疑われることなくこなさなければならないわけで、ヒヤヒヤの展開が続きます。そのうえノストラダムスとダ・ヴィンチを足して2で割ったような、中世の預言者で発明家のランバルディの遺品を巡る謎も浮上。単なるスパイ物とはちょっと違うテイストが加えられています。『LOST』もそうなんだけど、「遭難・サバイバル」、「スパイ」という言葉からは連想できないオカルト的な要素が入ってくるのがJ・J・エイブラムス流ってことなんでしょうか??
もちろんスパイ物らしく(?)、毎回潜入のためにシドニーはいろんな扮装 (変装というにはチト苦しい…) を披露してくれちゃいます。それが「おおぉ似合う~!」 と思うとき、「これってイマイチ?」と首をかしげるとき、「げ、こりゃキッツイわ…」と思わず伏し目がちになっちゃうときなど色々あって、ストーリーを追いかける以外のお楽しみがあるのもポイント高いです。もちろんジェニファー・ガーナー本人がこなしているというアクション・シーンも見ごたえアリ。
シドニー以外のキャラクターでは、わたしは父親のジャック (ヴィクター・ガーバー) に注目中。最初はなんとも表情の変化に乏しく、シドニーとは疎遠という設定のせいもあって冷たそうな印象が強いんだけど、ストーリーが進むにつれ、シドニーに対するぎこちなく不器用な愛情表現にほだされちゃいました。妻のローラに手痛い仕打ちをうけて、人間関係に慎重になってしまったんだろうなぁっていうのもわかるし。第1シーズン最終話でのウィル (ブラッド・クーパー。シドニーの親友で新聞記者) のハグにおずおず応える様子がほほえましかったです。
しかし、『24』といい『LOST』といい、アメリカのTVドラマ界では、“ジャック”には何かしら受難をふりかけねばならぬ、というルールでもあるんじゃないかと疑ってしまいますな。特に女難の相が出ておるよ…。
そうそう、クエンティン・タランティーノや『LOST』のロックがゲスト出演するというサプライズがあったのも嬉しい! アメリカの連続ドラマらしく「こんな終わり方しないで~!」と悲鳴をあげたくなるようなラストだったので、第2シーズンが連続で観られるというのもスバラシイ。当分お楽しみは続きそうです♪
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/ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント