映画や本の感想アレコレ。ネタバレにはほとんど配慮してません。ご注意! 


by nao_tya
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映画感想:『探偵はBARにいる』

〔ストーリー〕
 札幌・ススキノで探偵業を営む“俺”は、ある夜いつものように事務所がわりにしているバーで1本の電話を受けた。“コンドウキョウコ”と名乗るその女は、「ミナミという弁護士に去年の2月5日、カトウはどこにいたかを尋ねてくれ」と依頼してきた。早速ミナミに会いにいった“俺”だが、ミナミはカトウという男にもコンドウキョウコという名にも心当たりはないという。ミナミの事務所をあとにした“俺”は何者かに連れ去られ、雪に埋められてしまうのだが…。


監督:橋本 一
原作:東 直己
脚本:古沢良太・須藤泰司
出演:大泉 洋、松田龍平、小雪

 秋は祝日が多いのがうれしいですね! 今回の三連休、1本は映画を観にいきたいゾ、ということで橋本一監督の『探偵はBARにいる』を観てきました。公開終了が間近なのか、上映している劇場が少なくなってきていて、最近開業した大阪ステーションシネマへ初めてお邪魔しました。ここ、JR大阪駅の駅ビルにあるので便利なはずですが、劇場にいくためのエレベータがくるのがおそろしくおっそい!! エスカレータ利用を推奨してるっぽいのですが、最短のエスカレータだと一旦野外に出る仕様になってるんだよね。天気や陽気がいいときはかまわないけど、冬の雨の日とか最悪だと思うの。ちょっと問題アリだと思いますよ。

 とまぁ劇場に関しては不満はありますけれど、映画そのものはなかなか良かったです。おもしろかった。東直己さんの原作は読んでないので原作の雰囲気を再現しているのかどうかはわかりませんが、ハードボイルドななかにも気の抜けた笑いどころが入ってて、シリアスな部分とコミカルな部分のバランスのとり具合がうまいと思います。レトロで渋いバーがあって、そこを根城にしている探偵と相棒がいて、謎めいた美女に翻弄されて、不気味な悪党と戦う。なんとも古典的なハードボイルドの要素てんこ盛り、昭和テイスト満載なのに、悪い意味での古さは感じなかったのはこのバランス感覚のなせる業なんじゃないかな~。

 そして、主人公である探偵の“俺”を演じる大泉洋さんがびっくりするくらいカッコいい! もともと彼が持っているシリアスに演じていてもどこかとぼけた軽妙な雰囲気が、映画のなかで最大限に活かされている感じ。それだけでなく、真実がわかって電車のなかでうずくまる表情とか良かったわぁ。探偵の相棒・高田役の松田龍平さんも、チャカチャカとにぎやかで熱い大泉探偵と対照的な、飄々としている (というより単にぬぼ~っとしていると云うべき?) 冷めた、でも腕っぷしはとんでもなく強いキャラをうまく作ってました。“俺”と高木の掛け合い、すごく息があってます。

 周りを固めている俳優さんたちも芸達者な人が多いですね。情けない父親役の有薗芳記さんとか、出番は少ないけどすごく印象的。あと、カトウ役の高嶋政伸さんは相当気色悪い~っ。これって役者さんとしてすごく上手だってことでしょうが、ほら、高嶋さんいまプライヴェートでいろいろゴシップが出てきてるから、この役が板につきすぎて本人のイメージが悪くなるのではないかと勝手ながら心配になってしまった…。キーパーソンの沙織役は本当の美女でないと説得力がない役どころだけど、小雪さんならまったく問題なしでしたね~。ウェディングドレスで拳銃をかまえる姿、美しすぎます。

 霧島が殺害されるときに沙織が携帯を忘れたエピソードがあったり、写真でしか出番のない近藤京子の異父妹をわざわざ吉高由里子にして注目させたりしたのは、沙織が悪女かどうか混乱させようという仕掛けだったのかな? それでも核心はわりと早い段階で、ミステリを読みなれている人ならわかってしまうと思います。そもそも電話の声が…(笑)。でも、わたしは今回ミステリとしての弱さは気にならなかったですね。軽快に進んでいくかと思えた物語のなかに、突然ドーンと落とされる重たい現実や痛いシーンで緩急をつけてあるし、“俺”の探偵としての使命感とか熱さに最後までぐいぐい引っ張られていきました。スタントなしで役者さん自身ががんばったという雪のなかのアクションも迫力があって、映画として見ごたえありました。

 そうそう、おまけのようなエピソードに「次までには考えとくよ」 (だったかな?) なんていう高田のセリフがあって続編を匂わせてるなぁと思ったら、最後の最後にちゃっかり第2弾制作決定のお知らせが入っていたのには笑っちゃいました~。すごく楽しみにしてます。次もぜひ探偵と相棒のコンビは変更なしでお願いしたいですね。そして、公開までには原作を読んでおきたいです。でも、調べてみたら原作の「ススキノ探偵シリーズ」、すでに既刊が12冊もあるんだね…。最近本棚のダイエットに励んでるのにまたリバウンドさせるのはどうなんだ…。でも気になるの、読みたいの…。な、悩むなぁ…。

●映画『探偵はBARにいる』の公式サイトはコチラ

●映画の原作本
 『バーにかかってきた電話
   東 直己(ハヤカワ文庫)
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by nao_tya | 2011-10-09 21:00 | 映画感想etc.